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「内田のやる気とバーゼルの怒り」欧州CLグループE シャルケ04-バーゼル

最終節前の時点でグループ2位のバーゼルと3位のシャルケが勝ち点1差、シャルケホームでの直接対決という大一番は、アウェイながらもコンパクトでハイラインのプレスサッカーを仕掛けるバーゼルと、ここ数試合の不調が嘘のように躍動感を見せるシャルケによる、激しくも楽しい素晴らしい内容の試合になった。が、それを審判のとんでもない判定が台無しにしてしまった。

まずは前半の32分。中盤で縦に飛び出そうとしたサライがイヴァノフともつれるように倒れ、サライがある程度ファールをもらいに倒れたように見えたので、審判によっては笛を吹かないかもしれないぐらいのプレイだったのだが、イヴァノフに出されたカードは何とレッドカード。確かにそのまま抜け出していれば決定機だったとは言え、どう見てもイエローが妥当なファールだった。

これでシャルケがボールを支配するようになり、51分に内田からファルファンとつないでクロスが流れたところをダイレクトでドラクスラーが先制点を決めるも、バーゼルは数的不利ながらも時折鋭いカウンターを浴びせて何とか緊張感は持続していたのだが、57分のシャルケによるFKにバーゼルがオフサイドトラップを仕掛けたところ、何と旗が上がらずにマティプが戸惑いながらもゴール。映像で見てもシャルケの4人が明らかにオフサイドポジションにいた大誤審で、これで試合が完全に壊れてしまった。

シャルケは、ただでさえ怪我人が多いのにこの試合ではヘヴェデスとキレキレだったドラクスラーの2人を肉離れっぽい故障で失い、グループリーグを突破したから良かったものの、審判を含めて後味の悪い試合になってしまった。あえて明るい点を上げるとすれば、ファルファンとマイヤーが好調でボアテングも急造ボランチをそつなくこなし、最後に再三の決定機をものに出来なかった点は物足りないが、チーム一丸となった姿が久々に見れたように思う。

内田については、これも最近のお疲れな姿から打って変わった出来。激しい流れの中でもタイミング良く上がるオーバーラップ、対面の相手との間合いを見ながらポジションを細かく修正する技術はさすがで、この点では酒井宏樹はまだまだ内田の域には及ばない。アシスト未遂のパスは少なくとも2度はあったし、最後はコラシナツのオーバーラップにゴール前へ飛び込むなど、最後までやる気が充満していた。やっぱ内田はCLが好きなんだなあ(笑)。

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