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「1年間の成長を見せた京都」J1昇格プレーオフ準決勝 京都サンガ-Vファーレン長崎

試合結果はホームで0-0のスコアレスドロー、それも終盤は長崎に押し込まれて防戦一方と、一見すると冴えない内容で命からがら勝ち残ったように見える京都だが、個人的には昨年のプレーオフで大分相手に0-4で大敗した経験を上手く活かした試合運びだなと思った。

京都のサッカーと言えば、ショートパスで人数をかけて繋いで来る大木スタイルが定着しているが、この試合の京都はパスベースのスタイルこそ変えないものの、明らかに攻め上がる人数を抑えて長崎のカウンターを未然に防ごうという狙いがはっきり見て取れた。

対する長崎は、J2で旋風を巻き起こしたハードワーク&ハイプレスで対抗、前半は京都がボール運びの上手さを見せて互角の状況になったが、後半はほぼ長崎のペースになり、70分を過ぎると勝たなければいけない長崎はサイド攻撃の厚みを増し、何度もオーバーラップでサイドを破ってフリーなクロスを上げ続けた。

しかし、京都は中をしっかり締めて高さ負けを起こさず、こぼれ球からシュートは何度も浴びたが、オ・スンフンがきっちり反応してセーブするなど、確かに見た目は長崎の猛攻ではあったものの、京都にしてみたらそれほど慌てるような状況では無かったのではないか。

最後に長崎がパワープレイを仕掛けて来ても、コーナー付近で時間稼ぎをしつつボールを奪われてもすぐに奪い返し、ロスタイムには抜け目なくカウンターを仕掛けて仕方なく体で止めた岩間を退場に追い込むなど、試合の閉め方も落ち着いていたように思う。

長崎については、やはり攻守に走り回った後でもゴールやセットプレイを決められるようなタレントがいないと、こういった一発勝負では苦しい。でもJFL降格筆頭候補と言われていた開幕時を考えたら素晴らしい戦績であることは変わりない。このまま着実にJ2で実力と人気を蓄えていって欲しい。

そしてプレーオフ決勝は、京都と徳島というカードになった。徳島は怪我をしたドゥグラスの出場が不明で、それによって展開は大きく変わってきそうである。京都有利なのは確かだが、最近は得点力に陰りが出ているので、徳島に先制点が入ると試合が面白くなりそうだ。

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