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「なるべくしてなったフランスの大逆転」ブラジルW杯欧州予選プレーオフ第2レグ フランス-ウクライナ

ウクライナホームでのプレーオフ第1レグで0-2と敗れ、絶体絶命のピンチに陥っていたフランス。しかしフランスサポーターで満員のスタッド・ド・フランスで行われた第2レグで3-0と勝利し、軌跡の大逆転を果たしてブラジルへの切符を手にした。

対して切符をほとんど手中に収めながらスルリと落としてしまったウクライナ。その敗因は、既にいろんな報道で語られている通り、ほとんどW杯出場は決まったも同然と信じ込んでいる自国のプレッシャーに押しつぶされ、選手がピッチ上で全く平静を保てなかったという点が大きかったのは間違いない。

逆にフランスは2-0という点差に対しては開き直って攻めるしか無かったのが功を奏した。これが2-1や1-0だったら、ウクライナに先制点を入れられてしまうとそこから3点が必要になってしまう事になるので、フランスの勢いがここまで激しくなかったかもしれない。この辺がサッカーというスポーツの面白くて怖いところだ。

そして、フランスが取った戦術もウクライナに対しては効果的だった。第1レグの4-2-3-1から4-3-3に大きく変わったようには見えるが、実際はウイングのリベリやヴァルブエナがトップ下にスライドしたり、アンカーのマチュイディが上がってインサイドハーフのポグバとキャバイエがステイするなど、4-2-3-1の形にポジションチェンジする形が多かった。

これにウクライナの守備が完全に混乱し、ゾーンで守るのかマンマークに行くのか中途半端になってしまい、2点目のシーンが典型的だが、人数をかけてゾーンを作っているのにラインが上げられず、誰もボールにプレッシャーをかけずにセカンドボールに対して無防備になり、まさにゴール前の薄い壁状態に成り下がっていた。このケースには当てはまらないけど、こういう守備はオフサイドルールの変更で極めてリスキーになっちゃってるからね。

で、前半のうちに2点を入れられてイーブンにされ、後半開始早々にハチェリディが2枚目のイエローで退場してしまったところでほとんど勝負は決まってしまった。フランスは4点以上入れられるチャンスは沢山あったが決められず、逆にウクライナには最後に2度ほどゴールチャンスがあって再度ひっくり返せる機会はあったがそんままタイムアップとなった。

今回の欧州予選は北欧勢が残念だったけど、ひと通り強豪が勝ち残って順当な結果になった。と言うか、日本のグループ分けが心配になってしまうわけだが、今の日本は守る相手よりも攻める強豪のほうが与し易かったりするからねえ・・・何はともあれ12/6の抽選会が楽しみだ。

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