サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「やはり得点が何よりの薬」国際親善試合 日本-オランダ

まあしかしイタリア人監督はブレないというかタフというか、10月の親善試合で結果が出なかった事にも馬耳東風で、負けてしまうとおそらく批判が凄い事になったであろうオランダ戦で、香川と遠藤をスタメンから外してしまうとは思わなかったね。それも、清武はともかく山口を先発にしたのは驚き以外の何物でもなかった。

ただしその起用は、プラスの面も有りマイナスの面もあった。前半の日本は、序盤は非常にアグレッシブで岡崎の決定機などチャンスを多く作ったが、内田のミスからファン・デル・ファールトがゴールを決めてオランダが落ち着きを取り戻すと、山口はポジショニングに迷いが出て中盤でのプレスの連動性が失われ、清武はせっかく相手のPA内に入りながら弱気なヒールパスでチャンスを潰し、0-2となるロッベンのゴールにつながる流れを作ってしまった。

しかし、前半終了間際に日本が高い位置でボールを奪い、長谷部からのパスを受けた大迫のダイレクトシュートで1点差に追いついた事で流れがガラリと変わった。内容的にはともかく結果が出ない事で、日本代表にはいろいろと鬱積していたものがあっただけに、相手のミスとは言えオランダ相手にゴールを決めたインパクトが日本にもたらした効果は計り知れない。

後半から日本は香川と遠藤を投入したが、10月の欧州遠征とは打って変わって遠藤が大きな展開パスを出すようになり、オランダがデ・ヨンクを外した事で本田がボールを持てるようになり、日本が一気にモメンタムを引き寄せた。

そして10月の試合との大きな違いになったのが香川の出来。確かに中へとポジションを取る事が多かったものの、サイドでボールを持った時の落ち着きがまるで違い、長友のオーバーラップにつながる溜めのプレイでロッベンを守勢に回らせて後半は完全に左サイドを制圧した。まだサイドからの連携にはミスが見られるが、自信あふれるプレイが戻って来たのは頼もしい。

もう1つの違いは1トップになった大迫の活躍。オランダ戦の展望で大迫への期待を書きはしたのだが、正直言ってここまで活躍できるとは予想外だった。まあ、単純に柿谷が東アジア大会からリズムやコンディションが落ちているだけという見方もあるが、プレイの組み立てに貢献できる度合いには明らかに差があると言え、ブラジルでの1トップ争いで大きくリードしたと言えるだろう。

あと地味に好試合を支えたのがDFライン。前半からオランダ相手にミスから失点を食らっても高い位置取りを続け、特に後半はアタックとカバーが完璧でオランダの前線にほとんど仕事をさせず、セカンドボールを支配する要因となった。ファン・ペルシ不在のオランダではなく、リーグで吉田が完敗したルカク擁するベルギーにもハイラインを貫けるかどうかが、本大会で日本が主導権を握れるようになるかどうかのポイントになって来るだろう。とにかく次の試合が楽しみである。

モバイルバージョンを終了