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「岡崎復活の2得点」ドイツ・ブンデスリーガ第10節 マインツ-ブラウンシュヴァイク

リーグ戦開幕から4連勝と絶好のスタートダッシュを決めたものの、そこから公式戦7試合でわずか勝ち点1といきなり絶不調に陥っていたマインツ。

まあ、その4連勝も実際はミュラーの異常な決定力によるものが大きかったわけで、そのミュラーの得点力が落ちると同時に、ハイプレスからハーフカウンター一辺倒の戦術が研究され、相手にじっくり守られるととたんに構成力不足の馬脚を現し、岡崎も不得意なポストプレイで中盤の構築を助ける役割がメインになって、めっきりゴール前での仕事が減ってしまった。

その間にも戦術や人選をコロコロ変えて何とか打開策を見出そうとしていたトゥヘル監督が、今節のブラウンシュヴァイク戦で見せた選択は「原点回帰」であった。フォーメーションは岡崎1トップの4-1-4-1で、守備に難があるパク・チュホをSBではなくてSHで起用し、コンパクトなプレッシングから徹底して岡崎の飛び出しにロングパスを合わせるという思い切り。

序盤こそ、岡崎の悪い癖であるDFと競り合ってフィジカル負けするとファールをもらいたがるように倒れてしまう場面が続いて、これはまたもやガッカリな結果になってしまうのかと思ったところに、左サイドへのロングパスが相手の足に当たって少しコースが変わった浮き球を、岡崎らしい反応と機転で右足アウトで芸術的なロビングゴールを決めた事がターニングポイントだった。

これで味方も岡崎の使い方をようやく理解できたのか、そこからはオフサイドギリギリの飛び出しを狙う岡崎に早いタイミングでパスを出す攻撃が増え、2点目のカウンター以外にも岡崎には少なくともあと3点は取れる決定的なチャンスがあった。まさに水を得た魚とはこの事かと思ったが、不調でありながらもそこまで全幅の信頼をかけてくれたトゥヘル監督に岡崎がきっちり結果で答えられた事が何よりも嬉しい。

ただ、喜んでばかりもいられない。いくら結果を出したとはいえ、相手は最下位のブラウンシュヴァイクで、それもシャルケ相手にホームで見せた戦い方からは数段勢いが落ちるもので、そういう相手であっても後半には運動量が落ちて1トップの岡崎が孤立気味になっていたのはいただけない。ここから上位と戦って、それでもこの戦術で勝って行けて、初めて残留への道が見えて来る事になる。

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