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「逆襲への道は険し」ドイツ・ブンデスリーガ第9節 フランクフルト-ニュルンベルク

ビージンガー監督の更迭により、暫定的にU-23の監督であるプリンツェン氏が指揮を取っての初試合は、フランクフルトのホームで終盤に追いついての引き分けというまずまずな結果に終わったが、内容的にはビージンガー体制からあまり向上出来ているとは言えないお粗末なものであった。

前節の長谷部1ボランチというバンザイアタックからはさすがに変更され、清武トップ下、長谷部はスタルクとコンビのダブルボランチに戻ったのだが、特に前半はDFラインがあまりにも早くズルズルと下がってしまい、フランクフルトが中盤を使わずにロングボールを入れる攻撃に出て来たために、ラインが下がったスペースでセカンドボールを拾われ、連続攻撃を受ける厳しい展開になってしまった。

長谷部は何とかスペースを埋めるべく走り回るのだが、チェイシングに行ってもスペースを使われてあっさり抜かれたり、前線との距離が遠いので無理めな長いサイドチェンジを通そうとして流れてしまったりとなかなか周りと噛み合わず、清武は苦し紛れのパスしか後ろから出て来ない上に、フランクフルトのダブルボランチが激しくチャージに来て何度も倒されるものの、この試合の審判はボディコンタクトに甘くてほとんどファールを取ってもらえなかった。

後半からようやくSBが絞って中盤に守備参加をしたり、ボールを奪ってからサイドの上がりが早くなって、長谷部もスタルクと息が合って来て攻撃を組み立てる働きが出来るようになったのだが、そういう時に限って中央突破からマークを外してあっさり失点。

残り20分ほどになると両チームともにスペースが出来やすくなり、そこで清武に代えてマクとドルミッチを入れた采配があたった。86分に、バイタルでボールをキープしたマクのスルーパスが、オフサイドラインぎりぎりで抜けだしたドルミッチに合い、これを冷静に決めてニュルンベルクが同点に追いついて試合終了。

長谷部は試合時間が過ぎるごとに内容が向上して行ったけど、清武は交代で入ったドルミッチが点を取っただけにやや印象悪し。トップ下のきついプレッシャーから逃げないのは悪く無いんだけど、足元でもらいたがるために、そこをフィジカルコンタクトで狙われてしまっている。珍しく判定に苛立つところを見せたが、タイミングよくパスをくれそうな選手が長谷部しかいない現状では、ドルミッチのようにDFの裏のスペースでボールを受けるような工夫も必要ではないかと思う。

ニュルンベルクはようやく新監督がヘルトヤン・フェルベークに決まったようだが、モイーズにように何かを変えたがるフィジカル信奉者で無いことを祈るばかりである。

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