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「守備的な選手は攻撃的な位置に」ドイツ・ブンデスリーガ第7節 ヘルタ・ベルリン-マインツ

ともに日本人選手が在籍し、リーグ戦は好調なスタートを切ったものの、ここ4試合は勝ちが無いところまで一緒なチーム同士の対戦は、ホームのヘルタが3-1で快勝という結果に終わった。が、負けたマインツはもちろん、ヘルタのほうもあまり将来が明るいとは言えない試合ぶりだった。

ヘルタはFWのバウムヨハンが怪我でロニーが代役で入っているのだが、ロニーは柿谷のように足元でボールを受けてナンボの選手であり、ターゲットマンとしての役割には向いていない。そして開幕時には細貝と良いコンビが出来ていた守備的ボランチのルステンベルガーは、CBブルックスが怪我のためにCBに入ってしまっており、代役のチゲルチが細貝よりも攻撃的なポジションを取る事が多く、長谷部と同様に世界レベルではアンカーとは言えない細貝にとっては、持ち味が生きない状態になっている。

この試合でも、やはりガッチリとゾーンを引いて固く守るマインツに対してヘルタは満足なビルドアップが出来ず、後半になってから開き直って前線にボールを放り込んでからプレスをかけてボールを奪って速攻、という攻撃が上手く決まっただけで、これがマインツ以外のチームにそうそう通用するとは思えない。開幕当時のサッカーに早く戻れることを期待するしかない。

全体的なサッカーの傾向として、いわゆる「トップ下の10番」がゲームメイクをしてFWに点を取らせる時代はとうに過ぎ、CBやアンカーが攻撃の組み立てを担う時代になって久しいが、現在はそのバルサ的なポゼッションサッカーを打ち破るために、前線の5人がCBとSB、そしてアンカーに前方プレスをかけてゲームメイクをさせない4-1-4-1が台頭しつつある。従って、今までだったら「守備的」とされていた運動量がある選手は前線に、パスが得意な選手は後方にという逆転現象がより強まって来るのではないかと思っている。

そういう観点からすると、やはり左右に散らせるパス能力に欠けるがショートパスにミスが少なく、ポジションバランスを取ることよりも相手を追っかける方が得意な細貝は前目の選手という事になるのだろう。同じく、長友のような選手は前で使うのが現代的なセオリーにかなっているのだとも思う。

マインツはまさにその守備に狙いを置いた4-1-4-1で臨んで来ていて、岡崎は一応形としては右ウイングという攻撃的なポジションではあったが、実際にやっている事は相手ボール時にSBに対してプレッシャーをかけ、相手がサイド攻撃を仕掛けてきた時はSBの位置まで下がってアプローチをするという、ほぼ守備が8割という役割だった。

まあ、だからと言って攻撃をしなくて良いというわけではないのだが、ただでさえパサーがいないマインツが4-1-4-1にすると余計にボールが回って来ず、攻撃はボールを奪ったらとにかく早くゴール前に突っ込むばかりで、たまにボールが来たかと思うとガッチリマークを受けた状態なので体ごと潰されて終わりという、シュツットガルト時代と何ら変わらない状況になっているのは不憫というしか無く、今期も生き残りはかなり厳しそうである。