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「早くもヘルタの懸念が現実に」ドイツ・ブンデスリーガ第5節 ヘルタ・ベルリン-シュツットガルト

かたや4試合で勝ち点7、もう一方は1勝のみでELも逃して監督交代と対照的なスタートになった両チームの試合は、崖っぷち側のシュツットガルトがアウェーで勝利を挙げ、ヘルタのほうは3試合負けなしからの2連敗になってしまった。
ヘルタはレギュラーのトップ下であるバウムヨハン、CBのラングカンプが怪我で欠場したために、トップ下にはロニー、CBには細貝とボランチでコンビを組んでいたルステンベルガーが入ったのだが、正直言ってこれがあまり機能していなかった。
ロニーは、どちらかと言うと足元で柔らかくボールを受けてからプレイをスタートするポストタイプで、これが1トップのラモスと役割がかぶり過ぎ、そしてラモスはその影響もあるのかあまり存在感がなく、2列目ではベン・ハティラが孤軍奮闘していたぐらいでボールを保持していた割りには攻撃に正確性をいまいち欠き、シュツットガルトGKウルライヒの好セーブもあって最後までゴールを割れなかった。
カウンター特化サッカーだけに、この試合のように相手が引き気味で来ると攻め手が少なくなるし、選手層の薄さも全体的なバランスの崩れにつながっていた様子で、早くも好調時に感じていた懸念が現実のものになってしまった。
細貝は、ボランチで今回コンビを組んだチゲルチが攻撃的なポジションを取ったので、久々に守備的ボランチとしてプレイしたのだが、2度ほどゴール前へと飛び出してGKと1対1になるビッグチャンスは作ったものの、全体的に見ればまずまず及第点といった感じ。
現代の守備的ボランチに求められるのは、CBのカバーが出来る高さと1対1の守備能力の強さ、フィードの正確性、そして効率的に相手の攻撃を摘むポジショニングが重要になっていて、一昔前のガットゥーゾのような猟犬プレイは、もはや攻撃的な選手がやるべき役割になりつつあるんだよね。
そういう意味では、ショートパスの判断にミスが少なく、ポジショニングは良くないけどプレスバックを怠らない細貝は、代表じゃ長谷部の代わりとして認識されているけど、今の時代は攻撃的な選手として使うべきなんだろうと思う。ブラジルW杯後は、扇原のような選手が成長してコンビを組むとしっくり来るようになるんじゃないだろうか。
シュツットガルトについては、チームの内容は全体的に悪くてワンチャンスをものにしてウルライヒさまさまといったところ。酒井も中途半端な人への食いつきで背後のスペースを取られることが多く、後半になってようやくポジショニングの感覚を取り戻したが、あまり攻守で存在感は出せなかった。まあお疲れ様だわな。

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