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「中村を褒めるよりも守備を責めるべき」J1第21節 FC東京-横浜Fマリノス

ともに首都圏同士、上位争いを展開しているという事で味スタに3万人の観衆を集めて注目された試合だったが、ホームのFC東京が0-2で敗れてしまい、横浜Fマリノスを首位に押し上げる手助けをしてしまった結果になった。
欧州リーグのいくつかの試合を見た後で見るとなおさら、Jリーグは良い意味でも悪い意味でも落ち着きがなく、始終ハイプレスでショートパスをつないではカットされ、たまにフリーなスペースにボールが出てチャンスになるかなと思ったら、肝心なラストパスやシュートで精度を欠くという、まるでウルグアイと正反対なサッカーだなと苦笑せざるを得なかった。
そんな試合でも、横浜のほうがまだ試合のペースをコントロールしようという意志が働いており、中村が自由に動いてボールを触ることで自動的にチェンジペースを行い、ボールの溜めを作ってからサイドチェンジでスピードアップという攻撃のメリハリが見られていた。
東京と横浜ともに、DFラインに森重と徳永、栗原と中澤という新旧代表メンバーが揃った守備でも定評があるチームなのだが、やはり落ち着きと言うか1対1での状況判断力では横浜のほうが上で、シュートの数こそ9対7と東京のほうが上回ったものの、決定的な場面は東京の方にはほとんど無かったと言って良いだろう。
あと気になったのが、最後の中村の2点目について。あの場面では中村の個人技ばかりが褒め称えられているが、本来であれば東京のDF4人が壁を作ってディレイし、そこにボランチが後ろからカバーして防ぐという連携を行えば何の問題も無かったはずなのだが、タラタラとジョギングをしていた長谷川を筆頭として中村がシュートを打つまでにかなりの時間があったにも関わらず、結局は誰もカバーに戻って来なかった事が一番の原因である。
守備戦術を重視する監督であれば怒り狂ってしかるべきボーンヘッドであり、それがあまり東京サポーターの間でも問題になっておらず、単に力負けと諦めてしまっている人が多いのはちょっと不思議である。そういった戦術的なディテールを突き詰める姿勢がない限り、ウルグアイ戦のような失点は減らないのかな、と思ってしまうのである。

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