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「どこでやってもサッカーはサッカー」ロシア・プレミアリーグ CSKAモスクワ-クリリア・ソヴェトフ

冬場に長いウィンターブレイクがあるため、もうシーズンのスタートが始まっているロシアリーグ。案の定CSKAから移籍引き伸ばし作戦に遭っている本田もしっかり先発。
試合開始わずか8分にシェンニコフが得点機会阻止で一発退場し、13分にはPKを与えて先制点を奪われ、20分頃には逆にCSKAが奪ったPKをジャゴエフが本田の真似でもしたのか(笑)真ん中に蹴って上に外してしまなど、全ての負けフラグを立てておきながらも、何とか最後は逆転してホーム初戦を勝利で終わらせることが出来た。
今年のCSKAは、スイスリーグのグラスホッパーから獲得したツーバーが左ウイングのスタメンで、昨年の躍進の原動力となったエルムが何故かサブに回ってジャゴエフがヴェアンブロームとコンビを組み、ムサの1トップにトップ下がラヴで右のウイングが本田という形になっている。
で、機能したかというとやや微妙で、確かにCSKAは10人になってからも試合は完全に支配していたのだが、3-2-3-1の前4人がかなり自由なポジションを取って、ほとんどワイドでシステマティックなパスワークというものが無く、CSKAの2点も真ん中の縦に入ったボールをともにドゥンビアがゴール前で抜けだした(1つはPKにつながるファールをもらった)もので、相変わらずスルツキ監督は選手任せの方針だなと思ってしまった。本田も実質アシストはあったが勝負どころでのパスミスが多く、コンディションとしてはまだいまいちな様子。
ただ、ジャゴエフと本田が交互に中盤へと下がってゲームメイクする形はなかなか有効で、これはCSKAも簡単に本田を手放したくないというのは良く分かる。しかも、新戦力のミラノフが怪我をしてしまった上に、本田のミラン移籍話の影に隠れて突然ラヴの中国移籍が決まってしまったので、トップ下適性があるジャゴエフと本田に対する重要性はさらに高くなってしまった。
と言うのもあってか、この夏のミラン移籍に対してかなり悲観的な見方がされているが、じゃあ本田にとって物凄くマイナスかと言うと、ミランでCLに出られない可能性が高くなる以外は、それほどでも無いんじゃないかと思っている。そもそもミランの前線は選手がだぶついており、当たり前だが最初からスタメンが確約されているわけではない。
たとえレギュラーになったとしてもW杯の事を考えると、CLとの掛け持ちで疲弊するよりもリーグに専念してイタリアサッカーに順応する時間があったほうが良いとも言える。それに、イタリアだからレベルが高いというのはちょっと昔の話だしね。今はロシアと大きな差があるとは言えない。
あとあくまで個人的な感想だが、どうもミランの本田に対して足元を見ているような態度が気になる。本田にとってはミランが憧れなのかもしれないが、プロなんだから純粋に価値を評価してくれるチームに行って欲しいと思ってしまう。冬まで待って、そこで最も良い年俸を提示してくれるクラブと天秤にかけ直しても良いのではないだろうか。

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