サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

ツール・ド・フランス2013 第18ステージ

あのツールの顔とも言えるラルプ・デュエズ超級山岳をいったん上り、裏側の峠道を降りてさらにもう一度登り切ってのゴールという、史上初の試みとなったクイーンステージ。
当然、2位のコンタドール擁するサクソティンコフチームは勝負に出て、スタートから48km地点のモッティの丘でニコラス・ロッシュとパウリーニョが集団から飛び出し、この先に来る1回目のラルプ・デュエズでスパートするコンタドールと一緒に下りを逃げると思われる策に出たのですが、パウリーニョがラルプ・デュエズの上り序盤で集団に追いつかれてあっさりご破算。
それならばと、ラルプ・デュエズからの下りでクロイツィゲルがスパートし、コンタドールも後から追いかけて2人で逃げの体勢に入ったのですが、クインターナが表彰台を狙っているモビスターチームが2位と3位の選手を逃がすわけにはいかず、結果的にチームスカイを手助けする形になり、結局この2人のアタックは潰されてしまいました。
挙句の果てには、最後のラルプ・デュエズではクロイツィゲル、そしてコンタドールが次々に遅れだし、これでフルームがますます盤石かとガッカリしたのですが、やはりラルプ・デュエズという舞台は期待に違わぬ興奮のドラマを創りだしてくれました。
ラルプ・デュエズの勝利を物にするべく、先頭のファン・ガーデレンを着々と追いかけていたフルームが突然のハンガーノックで足が止まりだし、すかさずクインターナとホアキン・ロドリゲスがアタック、フルームはアシストについていたリッチー・ポルトから食べ物をもらって何とか引っ張ってもらうという事態に。
そして先頭では、100回めのツール・ド・フランスでありながらもここまで勝利がなかったフランス勢の中で、AG2Rチームのリブロンがファン・ガーデレンに追いつき追い越し、フランス中を歓喜に湧かせる涙のステージ優勝。
最終的に、フルームはリッチー・ポルトの献身的な働きもあってクインターナから1分遅れに留め、逆にコンタドールに対しては1分の差を広げてと総合争いでは2位との差をさらに広げる結果にはなりましたが、フルームとて超人では無い事を世界に示す結果となり、あと2つ残っているハードな山岳ステージに向けて若干の不安を残すものとなりました。
フルームがバッド・デイになってしまっただけに、コンタドールとクロイツィゲルが途中で動かずに最後まで足を残していれば、リッチー・ポルトが残ってなくてフルーム1人でハンガーノックに立ち向かわなければならない事態になっていたらというタラレバはありますが、やはり勝ち目が薄くても果敢に勝負したコンタドールとサクソティンコフにも拍手を送りたいです。
さて今日は頂上ゴールでは無いですが、グランドン、マドレーヌというお馴染みの超級山岳をこなした後に、2級、1級、1級と上りが連続するハードなステージ。ラルプ・デュエズの激戦で消耗した選手にとっては確実に遅れを誘うコースになるでしょう。ハンガーノックになったフルームのダメージがどこまで回復しているのかに注目です。

モバイルバージョンを終了