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「イタリアの本気守備」コンフェデレーションズカップ 準決勝 スペイン-イタリア

う~ん、イタリアは惜しかったね。鋭いカウンターがビシバシ決まって少なくとも4度の決定機があった前半のうちに1ゴールでも決めていれば、おそらく違う結果になったはずの試合だったんだけど、マッジョの決定力とカシージャスの氷のような冷静さが勝負を分けてしまった。
しかしマッジョは得点さえ決めていればこの試合で間違いなくMOMの働きだった。イタリアはスペイン戦用に3-4-3にフォーメーションを変えて中をきっちりと締め、サイドはマッジョとカンドレーヴァが高い位置取りをしてスペインの攻撃のアクセントであるジョルディ・アルバを低い位置に押し込めた。そして攻撃になるとカンドレーヴァが中に入り、出来たスペースをマッジョが駆け上がる事でいくつもの決定機を創りだした。
後半になると、スペインは左サイドから中に入り過ぎて機能していなかったダビド・シルバを下げてヘスス・ナバスを右ウイングに入れ、ペドロを左に移してスピード勝負に出た事でマッジョの位置が下げられ、全体的に運動量が落ちた事もあってオーバーラップの機会は激減してしまったのだが、イタリアは3ボランチにして中盤を厚くしてマッジョの負担を下げると、今度はカンドレーヴァがサイドでフィードを受けてからの仕掛けで奮闘し、スペインに移りそうなペースを必死に支えていた。
さしものイタリアも延長になるとほぼ力尽き、スペインの猛攻を浴びたものの暑い中で90分以上動いた選手にはもはやシュートの精度は無く、シャビの無回転シュートもブッフォンが弾き飛ばし、試合はとうとうPK戦に。最後はサドンデスの末にボヌッチが外し、スペインはヘスス・ナバスが決めて120分の死闘を制した。
120分間無得点とは言え両チームとも素晴らしい集中力で、結果を知った後の録画なのに最後まで目が離せない試合だったのだが、やはりその中でも驚嘆させられたのはイタリアの守備に対する集中力。
ウルグアイ戦でも指摘した、1人がボールコントロールを狂わせて2人目が素早く刈り取る二枚刃カミソリのような連携はもちろん、パスが出る前にクサビになる選手に詰める予測能力はイタリアならではで、延長になっても常時守備のバランスを崩さず、キエッリーニがサイドに釣り出されれば必ず誰かがラインに入ってすぐさま4人が均一に並び、フリーでシュートを撃つ相手選手がいれば3人がスライディングで襲いかかる有様で、決勝トーナメントで勝つには何が必要かをまざまざと見せつけられる「イタリアの本気」だった。
そう考えると日本の現状は絶望でしか無いのだが、イタリアのDFも昔はトホホな時代があって、特にキエッリーニは吉田もビックリなやらかしをしまくる選手としてバッシングを受けていた事を考えれば、きっとこれからの経験で何とかなる・・・はず・・・きっと(笑)。

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