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「イタリアにはまだ付け入る隙あり」コンフェデレーションズカップ グループA イタリア-メキシコ

さて、ブラジル戦での完敗を受けてのイタリア戦がいよいよ翌朝に迫っているわけだが、メキシコ戦を見る限りではブラジルに比べればまだ付け入る隙がありそうだなという印象を持った。
メキシコ戦では、イタリアは4-3-2-1という所謂クリスマスツリーフォーメーションを組んで来て、日本戦もおそらく同じ形で来ると思われる。プランデッリ監督は、中田がいたパルマ時代にも同じフォーメーションで戦っており、その時にも感じたことだが、良くも悪くも型にはまった戦い方だなと。
まず4バックは両サイドがそれほど高いポジションは取らず、常に4-3のブロックを作って相手の前線に入るボールをサンドイッチして奪い、そこからバロテッリやジャッケリーニへと一発のパスを送り込んで来る。ピルロをマークしてもデロッシからもパスが出て来るし、その攻撃を完全に止める事は難しい。
ただ、バロテッリはサイドに流れずほぼ真ん中を上下するだけだし、サイドを突破されてもスペインほどには中盤が前線へと飛び込んで来ないし、前線のポジションチェンジが少なくクロス精度も凄くはないので、バロテッリさえしっかり視界に入れてマークしておけば、それほどサイド突破を恐れる必要は無い。確かにバロテッリの一発は脅威だが、決してコンビネーションで崩しては来ないので、ラインを上げてゴールから遠ざけておけば威力は半減する。
攻撃の狙い目としては、4-3のブロックをきっちり作られるとブッフォンの壁と相まって崩すのは不可能に近い。なので、いかにしてブロックが整う前に攻め切るか、そしてブロックの裏を突けるかが鍵になって来る。
メキシコ戦でドス・サントスがPKを奪った場面のように、キエッリーニやバルザーリは前には強くても追っかける守備や横への揺さぶりにはそれほど強くない。その意味でポイントになるのは前田の働き。彼が幅広く動いてブロックの外側でどれだけボールを受けて基点になれるか。そして出来ればピルロに集まるビルドアップのパスミスを狙うようにもしたい。
前田がボールを受けて本田や清武にボールを戻し、前田が作った守備のギャップを突いての香川の飛び出しにスルーパスを合わせ、DFが後ろ向きに対処しないといけない場面を多く作れば、いかにブッフォンが最後に待っていると言えども得点の期待は大きくなるはずだ。
もちろん、バロテッリ以外の前線と中盤の5人で形作るプレッシングを突破する事は容易いことではない。ブラジル戦では全く出来なかった、中盤での素早いパスワークやSBのフォローの動きは必須になって来る。アジア仕様から世界仕様へとチームが変わっていないと厳しい事には変わりない。
メキシコ戦でのイタリアは、追いつかれて迎えた後半にポゼッションを高めて来たが、前に出た時のブロックはコンパクトさに欠けてスペースが出来ていたので、出来れば焦って攻めまくるのではなく、しっかり落ち着いて入って前半を無失点で切り抜け、1日休みが多い利点を活かして後半勝負に出たいところである。

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