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「ブラジル戦への布石をどう配置するか」ブラジルW杯アジア最終予選イラク戦展望

かろうじてオーストラリアに引き分け、裏の試合でひっそりと最終予選進出という事態を回避した日本代表。
6/15には日曜日にフランスを3-0で一蹴したホームのブラジルとやるコンフェデの開幕戦が待っているわけですが、それだけに4日前のイラク戦は結構重要なテストになるのではないかと思っています。
まず大きなポイントとなるのは、ザックがコンフェデをどういう位置づけで考えているのか、という部分。前回のブラジル戦では、ブラジルのジャーナリストが呆れるほどに、いつもの攻撃的な日本で行って玉砕してしまったわけですが、今度も玉砕戦法で行ってしまうのか、それともあくまで勝負にこだわるのか、どちらを選択するかでテストのテーマが大きく変わって来ると思います。
はっきり言って、高い位置からのプレスとポゼッションでブラジルに勝てるというのはただの幻想でしょう。どんなフォーメーションにしようが、勝とうと思えばコンパクトなゾーンを作ってブラジルが誇る2列目のスペースと時間を削るしかありません。
今までのザックジャパンでは、3-4-3が5バックになってしまったり、守備固めで栗原を入れたり本田を1トップにしたりと、偶発的な要素で守備的な布陣になる事はありましたが、最初から守備偏重で臨む試合は初めてという事になります。そこでザックはどういうチームを作ってくるのか。
1つの有力なアイデアは、4-1-4-1。先日にブラジルと引き分けたロシアもそうですが、ブラジルやバルサのような強力なポゼッションを誇るチームに対しては、やはりバイタルに守備的な1ボランチを置いたこの形が有効であることには変わりありません。そして日本でこの1ボランチに最も向いた選手といえば細貝でしょう。
とにかく守備での猟犬イメージばかりがクローズアップされる細貝ですが、実は攻撃面でも遠藤や長谷部に無い能力を持っている事は案外知られていません。それは、つなぎでミスをしない能力。細貝は大きな展開や鋭い縦パスを出せる力はありませんが、どんなに密集した場所であっても、つなぎのショートパスを本当にミスしないんですよね。
ブラジルの攻撃力は確かに脅威ですが、彼らとの試合で最も恐れるべき事は、ミスからハーフカウンターを食らってしまう事。ブラジルは守備時で前残りする選手が多いだけに、1つのミスが確実に致命傷へとつながります。そういう試合にこそ、ミス無く遠藤や長谷部に繋げられる細貝は貴重な存在になるはず。
もちろん、ザックが4-1-4-1をやるかどうかは全く分からないわけですが、出場停止の長谷部に代わって細貝の先発が予想されているだけに、そういう部分に注目して試合を見てみようと思っています。

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