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「策士ネルシーニョの本領発揮」J1第9節順延分 サンフレッチェ広島-柏レイソル

ACLで順調にベスト8に進みながら、その影響で前節に6失点と大敗を喫してしまった柏が、好調の広島相手に取って来た戦術は、何と完全マッチアップの3-4-3のフォーメーションであった。
その狙いは、言わば「逆ACL」。今期のACLで広島は全く良い所がなくグループリーグで敗れてしまったわけだが、それは薄い選手層のためにリーグを優先せざるを得ず、ACLはターンオーバーでやりくりしないといけなかった事情もあるのだが、広島のサッカースタイルがアジアでは通用しにくい面があった事も確かだろう。
広島の攻撃は、前線と中盤が縦方向に絶えず動きつつ、フリックやダイレクトで佐藤寿人の動き出しに合わせるのが基本線なのだが、これが高めにゾーンを敷いて複数の選手でプレスをかけようとするJリーグのチームには非常に良く作用する。しかし、柏が取った方策はしっかりと選手が引いて、ボールがハーフラインを超えたらマッチアップしている選手がそれぞれ激しくマーキングする守備で、広島に全くスペースと時間を作らせなかった。これはまさにアジアの戦術である。
しかし、柏も現在はあまり好調とは言えず、アジアのチームほどには縦に早いサッカーを得意としているわけではないので、こちらも効果的なカウンターは出せずに1度田中順也がバーに当てるシュートを打ったぐらいで、ほぼ膠着し切った守備だけの前半になってしまった。
後半になって柏の運動量が落ち始めると、徐々に広島が柏陣内でボールを支配するようになり、特にミキッチとのマッチアップで良く頑張っていた山中が足をつって秋野と交代してしまうと、さすがに新人では荷が重すぎて再三の突破をミキッチに許してしまうが、何とか中が頑張ってスコアレスドローで終了。
まあ正直見ていてとても面白い試合だとは言えなかったが、勝ち点1でも良いと割り切ったネルシーニョのリアリストぶりに感心させられたね。オーストラリア戦とコンフェデでは、是非ザックにもイタリア人の本領であるリアリストな姿を見せてもらいたいものだ。

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