サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「ファギーのラストゲームはお祭りでした」イングランド・プレミアリーグ WBA-マンチェスター・ユナイテッド

サー・アレックス・ファーガソン監督の最後を飾るゲームとなったWBAでのアウェイゲームは、華麗(?)な得点ラッシュを決めたマンUに対し、WBAが終盤に怒涛のカーテンコールで返すという、何ともプレミア的なエンターテイメントで幕を閉じた。
ショーの口火を切ったのは香川で、前半5分に無茶振り気味のロングパスに追いついたチチャリートが、香川の走りこみにタイミングを合わせてクロス、これを香川が当たりそこねにも見えるヘディングで早速先制点をゲット。
9分には右SBに入ったバレンシアのクロスがオウンゴールに、30分には左サイドから走りこんだビュットナーにPA付近でパスが渡り、これをコースに流しこんで早くも3点目と、WBAの観客がビールを飲むためかスタンドから離れる場面がカメラで抜かれたように、これでほぼ試合は決まったかに見えた。
もしこれがギリギリで順位を争っている真剣勝負ならそうだったかもしれないが、ファギー引退の花試合の意味合いが強い試合とあってか、ここでマンUの選手に油断が生まれ始める。もともと前掛かりだったマンUは、このあたりからビュットナーとバレンシア、アンデルソンが上がりっぱなしになって、相手のカウンターでは3~4人しか守ってない状況が当たり前になり、まず前半40分に1点を返されると、後半から投入されたルカクに2点目を決められてしまう。
マンUは53分にバレンシアのクロスをファン・ペルシが中で合わせ、63分には香川、ギグスとつないで折り返しをチチャリートが決めて再び3点差にリードを広げたが、逆にそれでさらに緊張の糸が切れたのか香川に代わってスコールズが入ってからは完全に守備が決壊、カウンターでは人がスカスカ、PA付近で誰も守備に寄せること無く、結局ルカクにハットトリックを決められる話題作りをして終了。
マンUのフィールドでの守備もお粗末だったが、デヘアの代わりにGKを務めていたリンデゴーアの出来が酷く、1点目も2点目も反応が遅れてゴールを割られ、終盤の連続3ゴールの場面ではほとんど棒立ち状態で、これならよほど川島や権田のほうが役に立つだろうと思われた。これ1試合で評価をするのはどうかとは思うが、今まで出番が無かったビュットナーやクレヴァリー、アンデルソンともども控えの層の薄さが大きな懸案事項としてモイーズに残されてしまったと言える。
香川については、点は決めたとはいえあまり自分にとって良いタイミングではボールをもらえなくて、前の方に選手が固まった交通渋滞状態でのプレイが多く、香川が生きるスピードに乗った攻撃は出来ていなかった。2トップ下という事でボランチの間でボールを受けざるを得ず、マークを常に背負った状態だったので、まだフィジカルに難がある香川にはボールが来にくかったように思う。来期はまた改めてポジション争いになるが、ダイアモンドのトップ下よりは1トップ下、もしくはラインを上げた4-2-3-1の左ウイングが適正な役割になるのだろう。うまく、そこに収まってくれる事を願うばかりである。

モバイルバージョンを終了