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「長谷部と乾にはほろ苦い最終戦」ドイツ・ブンデスリーガ第34節 フランクフルト-ヴォルフスブルク

長かったブンデスリーガのシーズン最終戦。乾が所属するフランクフルトは、もしこの試合でヴォルフスブルクに負けてHSVがレヴァークーゼンに勝利すると、ヨーロッパリーグの出場枠から漏れてしまうというプレッシャーがかかった試合になった。
案の定、前半8分にCKからポラークに決められ、5分後には長谷部のフィードからビエリーニャにポスト直撃のシュートを撃たれるなど、全体が前がかりになったところをズタズタにやられてしまうフランクフルト。16分、19分と乾がPA左右の場所でフリーになる絶好機を作るものの、シュートは横に外れて決められず、そのカウンターからオリッチが抜け出し、絶妙な折り返しをジエゴがあっさり決めてヴォルフスブルクが2点目。
これでフランクフルトのEL出場に黄信号が点ったと思われたのだが、その危機を救ったのは皮肉なことに長谷部だった(苦笑)。前半35分にラインの裏へスルスルと抜けだした乾に対し後方からタックルして倒してしまい、イエローが妥当な判定だとは思うが結果は一発レッド&PK。これをマイヤーがしっかり決めてようやくフランクフルトが息を吹き返した。
と思ったら、後半からのフランクフルトは前半の飛ばし過ぎがたたったのか選手の動きがあまり良くなく、乾は左に右にポジションを変えて何とかボールを受けようとするのだが、ほとんど彼のところにまでボールは来ず、たまにパスが来てもヴォルフスブルクが乾対策にナウドを当てていたので前へ進めず。
これはもう試合は動かないかなと思われた後半終了間際、同時間帯に行われているHSV対レヴァークーゼンの試合でレヴァークーゼンがリードしたという結果がもたらされ、フランクフルトのスタジアムが大歓声に包まれる。そして面白いことにその直後、ヴォルフスブルクのロドリゲスのオウンゴールが決まってフランクフルトが追いつき、そのまま試合終了。フランクフルトは予選3回戦からになるが、ヨーロッパリーグ出場権を獲得した。
長谷部については、退場するまでは精度の高い縦パスを通していて出来としては非常に良かったのだが、退場シーンでは乾にうまくやられてしまった。乾は帰国したら長谷部に付け届けをしておくように(笑)。
乾は、今シーズン最大の課題であった決定力不足がここでも露呈。最初の大チャンスの場面は、もし香川だったらフェイントを入れてGKの体制を崩して流し込んだだろうが、乾はあそこで力任せに打ってしまうんだよね・・・ドリブルのキレでは香川を上回っているだけに、冷静さがあればそれぐらいは出来る選手だとは思うんだけど、果たしてそこが改善できるのかどうか。ビッグクラブを目指すには、そこが一番のハードルだろう。

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