サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「オフサイド誤審で水をさされた熱戦」J1第11節 浦和レッズ-鹿島アントラーズ

Jリーグ20周年記念試合として、試合前にはポンテとアルシンドというかつての功労者がスピーチをするなど、浦和と鹿島のレッドダービーという事で赤に染まった満員のサポーターの中、華やかに始まった試合は、残念ながらオフサイドの見逃しという誤審で水をさされる後味の悪い結果になってしまった。
しかしそこまでの内容は非常に熱く拮抗していて、先日に見た柏と横浜の試合がガチガチのインファイトだとすれば、この試合は互いに相手の攻撃をしっかり受け止めながら、隙を見て必殺パンチを叩きこむアウトボクサー同士の対戦という趣があった。
試合のペースを握っていたと言えるのは浦和の方で、鹿島が伝統の4-4-2でしっかりとコンパクトな2ラインを引いて網をかける中、3人のDFとボランチ1人だけを自陣に残し、残りのフィールドプレイヤー5人が全て4-4のゾーンの間にポジションを取り、5人のうちの1人にボールが入ると残りの4人が相手のマークが動いたギャップを着いて動き、そこにパスをつなげるという偽バルサのような攻撃で鹿島の攻撃を度々切り崩していた。
その浦和の攻撃の中心となっていたのは原口。まさにバルサのメッシ、浦和の原口と呼ぶのがふさわしい存在感で、狭いスペースの中で果敢にターンやドリブルを仕掛け、えてしてパスを遠くで回すだけの遅攻になりがちなパスサッカーの中でポストプレイだけではない攻撃の「クサビ」として大きな存在感を放っていた。
しかし先制点を奪ったのは鹿島の方。前半は浦和の攻撃に苦しめられながらも、大迫のポストを軸にしたカウンターやセットプレイで地道にチャンスを作り、後半にDFラインの裏へと大迫が抜け出して惜しいシュートを放った直後には、野沢が右サイドからカットインのフェイントで阿部を交わすと、ロッベンを思わせるようなファーサイドへのコントロールシュートを決めて先制する。が、その直後にCKからニアに飛び込んだ那須が決めて浦和が同点に。
そして78分の問題の得点・・・まあこれをどうして間違える、というレベルの誤審だったわけだが、このエントリーを書く前に浦和と鹿島で検索をかけていたら、ジョルジーニョ監督が審判のレベルをうんぬんというニュースが出て来て苦笑してしまった。日本のレフェリングが何も進歩してないとは思わないけど、選手のレベル向上からすると明らかに遅いよね・・・その大きな理由が、オフサイドやファールの映像を分かりやすい角度からリプレイしない、審判委員会での内容が表に出て来ないなど、意図的に甘い環境を作っているリーグにあるのではと思っているんだけどねえ。
それ以外にもファールの基準が曖昧だったりする部分はあったが、全体としては試合をそれなりにコントロール出来ていただけに、この誤審は非常に目立った。鹿島のDFラインが自信を持って押し上げた場面でアレをされたのでは、二度とラインが上げられなくなってしまう。選手やスタジアムはもちろんだが、審判もレベルが上がって行かないとJリーグのファンは増えて行かないのではと改めて痛感させられる試合だった。

モバイルバージョンを終了