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「派手な打ち合いを岡山が制す」J2第13節 ファジアーノ岡山-モンテディオ山形

J2の試合というと、個人能力を組織でカバーするハードワークと、前線のタレント不足による決定力の弱さが相まって、ロースコアでのせめぎ合いになる試合が多いイメージがあるのだが、岡山と山形の対決はそれを真っ向から覆すド派手な打ち合いとなった。
そういう試合になった大きな要因は、岡山が押谷、石原らスピードのある選手を前線に配した3-4-2-1で、山形が林と中島というCFらしい選手を前線に並べた4-4-2という正反対な戦術同士の対戦になった事が挙げられるだろう。
試合でまずスタートダッシュを決めたのは岡山。厚い中盤から積極的にサイドを破るスピードある攻撃で、左WB田所のグラウンダーを押谷が流し込んで先制するも、DFラインとSBを高い位置に上げて徹底してロングボールを入れて来る山形に対し、高さで劣る岡山がズルズルと守備を下げさせられるようになり、16分にはCKのコースが変わったところを中島が押し込んで同点。
その後も山形がセカンドボールを支配して猛攻を続けるものの、28分に岡山がまたも田所によるサイドからセンターを抜ける飛び出しからゴールに流しこむ鮮やかな2点目を決め、4分後にはまたまた田所がドンピシャクロスを澤口に送って難なくゴールと数少ないチャンスをしっかり物にし、山形の反撃を何とか1点で凌いで3-2で前半を折り返す。
後半になっても展開は変わらないままだったが、岡山GK中林が左手の指だけでボールを弾くスーパーセーブを始めとしてロングボール攻撃を耐え忍び、20分を過ぎてようやく試合が膠着したかと思ったのだが、26分にスルーパスに反応した廣瀬を岡山が倒してしまいPK。これで試合はとうとう同点に。
シュート数は倍以上、CKに至っては0対17という圧倒的な山形のペースだっただけに、これで岡山の勝ちは無くなったかと思ったのだが、ここから疲れで互いにスペースが出来たことで岡山がバイタルで基点を作れるようになって反撃、87分に相手のクリアミスを拾ったこの試合のヒーローである田所がミドルシュートを決め、岡山が劇的な勝ち越しゴールを決めて試合終了。
1万人オーバーとホームにたくさん観客を集めたファジアーノとしてはホクホクの試合だっただろうが、試合展開を見れば山形に押されっぱなしで昇格を目指すチームとしては反省しないといけないところ。前線でキープ出来ずにラインが上がらない3バックではサイドをやられまくるのは当然で、そこを広島のように全体でのパスワークでカバーするのか、それとも別の方向で行くのかを固める必要があるだろう。
山形は、あれだけ攻撃を続けて決め切れないのは当然だけど、やはり守備がねえ・・・常時2バック状態では仕方ない部分はあるが、それにしても簡単にサイドを突破されすぎ。こちらも昇格を狙うのであればこういう部分のリスクマネジメントが出来て行かないと厳しいだろうね。

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