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「何とか残留に王手」ドイツ・ブンデスリーガ第29節 シュツットガルト-ボルシアMG

ドイツ・カップの決勝進出で、来期のヨーロッパ・リーグ参戦が確定したシュツットガルトだが、リーグ戦ではプレイオフ圏内のアウグスブルクに勝ち点6差と、未だ降格争いから脱出できていない状態。そういう中での、CL出場権を争っているボルシアMGとの難しい試合ではあったが、何とか勝利をもぎ取ることが出来た。
3月は公式戦1勝5敗と、ELとの掛け持ちがあってか守備が崩壊気味でひどい内容と結果ではあったが、ここ2試合は無失点に抑えてようやくチームを立て直してきたシュツットガルト。そのターニングポイントとなったのは、本業は右SBであるボカのボランチ起用だった。
SBでのボカと言えば、スピードもテクニックもそれなりにあるんだけど、身長は低いし守備のポジショニングに穴を開けることが多く、1対1のスキルや判断もいまいちで安定感という言葉からは程遠い選手だった。しかしそれがボランチになると、1対1の重圧から解放されたのもあるのかノビノビとピッチ中を走り回って攻守に絡み、シュツットガルトの中盤にダイナミズムをもたらす存在になった。
そしてそれとセットで効果をもたらしているのが、瀬戸がいるルーマニアリーグから移籍してきたマクシムのトップ下での起用。攻撃能力はさほどでも無いが、とにかく守備を怠らない選手で、相手ボールになったらほぼ3ボランチの形になるようにカバーし、ボカが動いて開けたスペースも忠実に埋めて、中盤でのプレッシング能力を高めるキーマンになっている。
この試合の内容自体はかなり拮抗したもので、シュツットガルト自体には多くの決定機があったわけではないが、28分にマクシムのFKが、相手選手に2回、相手GKに1回触ってゴールに入るという珍しいオウンゴールで先制すると、34分には相手選手とGKがタッチライン際でお見合いしたところをゲントナーが割って入り、浮かせたボールがうまくゴールに吸い込まれて2点目というラッキーな得点を上げると、後半は押されながらも運を味方につけて守り切ることが出来た。
あと、何気にモリナーロがやっとこさ本領を発揮しだしたのも大きい。もともとトラオレは好調だったが、そこにモリナーロが加わることで一気に左サイドが活性化した。ただし、その分酒井の右サイドが守備に回ることが多くなったが・・・
その酒井については、時折オッと思わせるような魅せるプレイはあったものの、クロスが明後日行ったり相手に当たったりと、自分で勝手に見切ったプレイと言うのか、「ここで蹴っとけオリャッ!」って感じの雑なプレイが多かったように思う。守備でも対面にエースのアランゴがいたにも関わらずマークがタイトじゃなかったし、勝ったから良かったものの、個人的な出来自体はヨルダン戦の彼と似た印象を受けた。ちょっとここらで気持ちを引き締めてもらいたいものだ。
岡崎については、2列目の選手がそれぞれ好調、ハルニクは昨シーズンほどの出来では無いものの前線のアクセントとしては欲しい選手だし、かなり難しい立場に追い込まれている。この試合でも、PA付近でGKの飛び出しよりも先に触った浮き球シュートがあったのだが枠を捉えられず。現状では結果を出すしか先発復帰のチャンスは無いだけに残念なシーンだった。と言うか、今期はそんなのばっかりなんだけどね~。
ともかくこれでシュツットガルトは勝ち点が36になり、プレイオフ圏内のアウグスブルクが金曜の試合でボルシアMGに0-1で破れて勝ち点27のまま。残り4試合のうち、アウェイのバイエルン戦が残っているので勝ち点10以上の積み上げは無いはず。ただ、得失点差が3と近いので、シュツットガルトはあと引き分け1つは稼いでおきたいところである。

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