旧閑ガゼッタ

「ローリスク・ローリターン」ナビスコカップ グループA 川崎フロンターレ-清水エスパルス

ここまでともに公式戦では7試合でわずか1勝と、調子に乗れないチーム同士の試合は、やはり低調な内容に終始した末にどちらも決定機に決められずスコアレスドローと、結果もお寒い試合になってしまった。
それを一言で言えば、「ローリスク・ローリターンなサッカー」。とりあえず相手ボールになれば、1対1で奪ったりプレスを猛然とかけたりせず、まずは自陣に戻ってスペースを埋める守備でスペースを消し、それに対して攻撃側は縦パスやサイドチェンジをせずに近い選手同士でパス交換をするだけ、当然相手の守備陣形は動かせないので、いつまで経ってもスペースが出来ず、後ろの選手がオーバーラップする機会が作れない。この縮小均衡状態が、後半の途中までどちらも自ら崩す事ができなかった。
特に川崎は、最初こそ1トップのパトリックに対して早くボールを入れようという意識は見られたものの、サイドが全く押し上げないのでセカンドボールが拾えず、ただボールを当てるだけに終わってしまい、すぐに大きな攻撃は影を潜めて後ろでタラタラとボールを回すだけになってしまっていた。前半の最後に、ようやくボールホルダーをサポートしてパスコースを作る動きが出たと思ったら、そこから3人目の動きにはつながる事無く、後半はまたもや沈黙状態に。
清水のほうが内容的にはややマシで、サイドを高い位置に上げてサイドチェンジを交えたり、ある程度川崎のボランチに対してプレッシャーはかけていたのだが、彼らがバックパスをしても後ろが連動して前に詰めないために、結局は川崎がDFラインから組み立て直す機会を与えていただけに過ぎなかった。そこでもっとプレスをやり切る勢いがあれば、この日の川崎が相手であれば早々に試合を決める事は難しくなかったはずだ。
ただ、小さくちょこまかと動くのも疲れるのか、80分を過ぎると互いに中盤でスペースができはじめ、前半はほとんどシュートが無かった川崎が前線にFWを追加投入し、いくつか決定機を作るものの、清水GK櫛引が鋭い反応を見せてゴールを許さず試合終了。どちらもまだまだ前途は多難だな、と思わざるを得ない試合だった。
ACLで日本勢が韓国勢に弱いのは、メンタルの差ではないかというコラムがスポナビに出ていたが、個人的には単純に「強烈な個」がいないせいだと思う。コンカやムリキのように強引なドリブルで突破したり、フィジカルでDFを弾き飛ばしてゴールを決めるような選手がいると、個人の対抗力も上がるし、そういう選手を止めるためにピッチ上の選手配置に偏りが出る。そうなると、そういう人のいないスペースを使ってカウンターを仕掛ける意識が強くなり、結果的に1対1での好守が増える。そういう循環が起こってこないと、ローリスク・ローリターンな試合は減らないのではないかと思うのだが・・・