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「清武も長谷部も自分の仕事をこなす」ドイツ・ブンデスリーガ第27節 ヴォルフスブルク-ニュルンベルク

シーズン途中でいきなりヴォルフスブルクへと移籍してしまったヘッキング監督に対する、復讐戦という格好になった試合は、ホームのヴォルフスブルクが前半に2点をリードするものの、後半を守りきれず同点に追いつかれてのドローに終わった。
ニュルンベルクは、3-0で勝利したシャルケ戦の後半そのままの布陣、つまり1トップにエスヴァインを置いて、清武とフォイルナーをインサイドハーフに並べた4-1-4-1というカウンター狙いのフォーメーションにして来たのだが、前半はこれが完全に裏目へと出てしまった。
そもそもカウンターを狙おうにも中盤でボールが繋げられず、清武がポラークの集中マークを受けていたので、エスヴァインやサイドのフランツ、チャンドラーにまでなかなかボールが渡らない。フランツにしてもエスヴァインにしても、飛び出してナンボの選手なので、仕方なく清武がボランチの位置にまで下がってゲームコントロールしていたが、それによってチームとしてのゴール前での精度やアイデアが無くなってしまっていた。
もっとも、それはヴォルフスブルクも似たようなもので、攻撃のアイデアはほぼジエゴ個人へおんぶに抱っこ状態で残りの中盤は単なる労働者に過ぎず、ジエゴのFKとオリッチのスーパーゴールで2点を取りはしたものの、チームとして大きくニュルンベルクを崩していたわけでは無かった。
後半にニュルンベルクが普段通りにペクハルトを1トップに復活させた事で、ようやくニュルンベルクは前で基点を作れるようになり、清武もヴォルフスブルクの1ボランチであるポラークの横のスペースへと再三侵入してチャンスメイクを行い、61分に左サイドでの突破からシモンスのまぐれボレーゴールのお膳立てをすると、5分後には伝家の宝刀であるFKでニルソンの倒れこみながらのシュートをアシストした。
相変わらずシュートに対する淡白さや、良い位置でのFKをあっさり味方に譲ってしまうといった消極さが見られるのは残念だが、ポラークの執拗なボディコンタクトにもめげずに最後までしっかりプレイが出来ていた事は評価できる。シーズン序盤にあったプレイのムラが無くなり、安定した選手になって来たように思う。
長谷部は、中盤とのコンビで攻守のバランスを取りつつオーバーラップも何度か見せて積極性のあるプレイぶり。チームのビルドアップ能力不足を考えれば、もっと縦パスや得意のアーリークロスがあればとは思うが、ジョズエが抜けてポラークが務めるようになった1ボランチは不安が多いだけに、ボランチもこなせる長谷部の出番はこれから必ず増えて来るはずなので、レベルアップに期待だ。

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