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「イングランド勢の不振と香川との関連」FAカップ準々決勝 マンチェスター・ユナイテッド-チェルシー

レアルに敗退したチャンピオンズリーグであえて温存した、ルーニーと香川が出場という事で期待された試合だったFAカップチェルシー戦は、序盤に挙げた2点のリードを守りきれずに再試合となるドローに終わってしまった。
今朝のCLでアーセナルがバイエルンに負けてしまった事で、ベスト8にはイングランド勢が1チームも残らないという結果に終わってしまったのだが、このFAカップでのマンUを見ると、その原因が分かるような気がした。それは、戦術面での統一性の低さである。
マンUのCBで先発したのはリオ・ファーディナンドとエヴァンスの2人だったのだが、彼らはマイボールになってもセンターサークルよりも後ろで守ってしまっている上に、エルナンデスとルーニーがあまり中盤でポストをしようとせずに前線に張り付いたままなので、中盤がすっかりガラガラになってしまい、マンUの攻撃場面でもテレビに映るのはポツポツと3人ぐらい、という場面が少なくなかった。
その上、香川が左サイドにいる時はアスピリクエタにビッチリ背後を抑えられ、仕方なく香川は中に入ってボールを受けようとするものの、広大な中盤を埋めるためにクレヴァリーも上がり目であるため、ボランチのところにプレッシャーがかかってほとんど良い形で縦へのボールが出てこない。で、ミスからターンオーバーになって香川は長い距離を走って守備をすると。一瞬、PA左側で香川がボールを持てた時があったが、そういう彼のアイデアやアジリティが活かせる場面が本当に少なかった。
62分に、エルナンデスに代えてファン・ペルシを投入すると、何故かファーガソン監督はルーニーを左に置いて香川をトップ下へと移動させたが、そこからは香川がバイタルエリアでのポジショニングに専念することでボールの収まりどころが出来、徐々に流れが良くなったかなと思ったら75分で香川は交代してしまう。
積極的なターンオーバーで選手のコンディションを維持し、サブになっている選手のモチベーションを落とさず、長期的に選手を育てるファーガソン監督のやり方は1つの見識ではあるんだけど、そのおかげで選手の組み合わせで戦術の流れが大きく変わり、レアルやチェルシーのような戦術の統率を重要視している監督が率いるチームにやられてしまう。
相手が強いビッグマッチでも、きっちりラインを上げてポゼッションがキープできるようなメンバーが揃って来ないと、なかなか香川が真価を発揮できるような機会は訪れないんだろうな、と思ってしまうのだ。

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