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「重なったファギーの誤算」UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16第2レグ マンチェスター・ユナイテッド-レアル・マドリー

前節のノリッジ戦で、機能だけで選手を選ぶなら監督はいらない、と書いてしまったら、蓋を開けてみればファギーの選択はゴリゴリの機能重視だったでござる(笑)。
と言う訳で、ノリッジ戦で90分プレイした香川はおろか、エースのルーニーまで温存して元気な選手を前線に並べ、トップ下に置いたウェルベックがシャビ・アロンソをマークすると同時に、ラファエルとエヴラがクリロナとディ・マリアをほぼマンマーク気味に見るという、レアルのオープンな攻撃の要所を封じこめるという策に出て来たマンU。
そしてこれがものの見事に当たり、前半はレアルの攻撃をほぼ完璧に封じ込め、おまけに後半3分にはクロスに対してウェルベックが触ったボールがセルヒオ・ラモスに当たってオウンゴールとなるラッキーな先制点までも奪ってしまい、マンUとしては完璧といって良い試合の流れだった。が、ご存知のようにナニが56分に一発退場を食らってしまい、そこで全てのプランが崩れ去ってしまった。
確かにナニの行為は故意ではなかったし、せいぜいイエローカードが妥当、プレミアでは下手をするとカードすら出ない判定だったとは思うが、改めて注意深く試合を見てみると、その5分ぐらい前からこういう事が起こる予兆はあった。
それまで、レアルがボールを持つとSH以下の8人の選手が自陣に戻ってコンパクトな壁を作っていたのだが、50分頃からはナニとギグスに疲れが見え始めて守備ゾーンに戻る動きが鈍くなってしまっていた。退場の場面の直前にも、ナニは後ろに戻らず中盤の選手で1人だけ前で突っ立っており、そこにたまたまボールが飛んできてああいう事になった。だから、ナニが不注意だったのは事実だろうが、実は疲労が溜まって機敏な判断が出来なかったのではないかと思っている。
退場ですぐさまモドリッチを投入したモウリーニョに対し、ファーガソン監督の選手交代が遅れたのでは、という見方もあるが、逆転するしか無いレアルに対し、1点リードしていてホームのマンUが延長も視野に入れた温存策を選択するのは常識であり、采配どうこうはあくまで結果論だと思う。チーム得点王のファン・ペルシが当たっていなかった事も含め、とにかくマンUは運に見放されたという事だろう。
次の試合は3/11に行われるFAカップのチェルシー戦。おそらくルーニーと香川が先発、ファン・ペルシがベンチスタートになる可能性が高いと思っている。香川はもしかするとトップ下でのスタメンかもしれない。ここで是非ともCLのウップンを晴らす快勝を願いたいものだ。

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