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「長友にとっては厄日」イタリア・セリエA第26節 インテル-ACミラン

だいたい、日本代表や海外日本人選手の試合で内容がいまいちだった時は、ナショナリズム的な期待の反動で掲示板などでは酷く叩かれたりするものの、実際に試合を見てみるとそんなに悪くないんじゃないか、と思うパターンが多い。
で、今回のミラノダービーで出来が悪かったとあちこちで酷評されている長友のプレイを見てみたのだが、やっぱりそんなに・・・じゃなくて今度は本当に悪かった(笑)。
長友と言えば、「何でこんな時間帯に前線まで激走してるの?」とか「何でSBなのにゴール前へ飛び込んでるの?」といった、ある意味”空気読まない”プレイがロートル揃いのインテルにおいて良いアクセントになっていたりするんだけど、今回はその意欲が完全に裏目へと出てしまった。
ここまで7試合で5勝2分の負けなし、ミッドウィークにはCLでバルサを2-0で破るなど絶好調のミランに対し、インテルは主力選手に怪我人が続出、冬にはコウチーニョやリヴァヤらの若手まで放出してしまってFWがおらず、カッサーノとサネッティは働き詰めでまさに正反対のチーム状況な上に、ただでさえコンパクトで戦術的なチームじゃないインテルは、ポストプレイが出来るミリートがいなくなって全くDFラインが上がれる状況では無くなっていた。
こういう場合のSBは、ちょうどミランがバルサに対してそうしたように、常にスペースを開けずに注意深くポジションを取り、チームメイトとのバランスとコミュニケーションを蜜にしながらカバーリングを遂行する、という姿勢が求められるのだけど、ストラマッチョーニの指示を忠実に守りすぎて、中に寄せるエル・シャーラウィに付いて行ってしまい、がら空きになったサイドをデシリオがフリーで上がってそこからバンバンクロスを上げられてしまった。
右SHのグアリンが下がらないと、という意見もあるが、パラシオがセンターでカッサーノが左寄りのポジションを取っているので、グアリンはやはりバランス的に高い位置に居たほうが良く、それよりもガルガーノやラノッキアとコミュニケーションを取り、マークの受け渡しで対応すべきだったように思う。バカの一つ覚えで長友をマンマークさせてあっさりミランに対策されるストラマッチョーニも悪いけどね。
それで上手く行かない部分をカバーしたい気持ちがあったのか、マイボールになった時の長友はやたらと攻撃を仕掛けたがり、グアリンがプレスの強いセンターを嫌ってサイドでボールを持つものだから、長友は無理やり中へとオーバーラップするのだが、そんな密集地帯にパスなんか出て来ないし、長友がマークを引き連れてもそこを味方が利用するわけでもないので、単なる無駄走りになってしまっていた。
失点シーンについても、カッサーノが中盤でボールを受けた瞬間に、長友はエル・シャーラウィのマークを捨ててオーバーラップのために走りだしており、カッサーノのボールロストで慌てて反転したが間に合わなかった。上がるならCBとの連動が必要だったし、これも完全な勇み足だった。
まあ、これで負けてたら間違いなく戦犯で吊るし上げられるところだったけど、ハンダノヴィッチのお陰で追加点を取られず、怪我をしてもアシストで挽回出来たのだからラッキーではある。怪我で休んでいる間、この試合とミラン対バルサの試合をじっくり見て、反省してこれからにつなげて欲しいところだね。

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