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「快勝も日本人にとってはいまいちスカッとしない」UEFAヨーロッパリーグ ベスト32第2レグ ゲンク-シュツットガルト

シュツットガルトホームでの第1レグではアウェイゴールを取っての1-1で終わり、有利な状況でホームでの第2レグを迎えたゲンクだったが、かえってその中途半端な余裕が裏目に出てしまった試合だったと言える。
スコアレスドローでも勝ち抜けられるゲンクは、ホームだけど比較的低い位置に守備の網を張ってカウンターを狙う作戦を取って来た。当然、点を取らないといけないシュツットガルトは、両SBが高い位置を取ってトップ下に入った岡崎も頻繁に裏抜けを狙うなど、かなり攻撃的な姿勢を見せる。
しかし1トップのイビシェヴィッチはゲンクのCBに抑えられてポストプレイが出来ず、岡崎は裏に飛び出してもタイミングやコースがずれてボールが届かず、ボールが来たと思ったら足を止めている時やマークにびっちり付かれている時だったりで、リーチと体格差で結局ボールをつなげられない。そんな中でせっかく作ったゴールチャンスも岡崎、イビシェヴィッチ、ハルニクが決められない。
そして酒井とボカが高い位置を取っている割にCBの押し上げが緩く、サイドのスペースを使われてカウンターを食らう場面が頻出、リフレクションから中途半端にラインを上げて、酒井と入れ替わりで完全にフリーでヘディングされた大ピンチも作られた。が、ゲンクも決定力不足は深刻で、カウンターの時に人数をかけず割と淡白な攻めで終わってくれた事がシュツットガルトに味方した。この前半のバタバタしていた時に先制点を取られていたら、敗退は濃厚だっただろう。
ところが、45分にCKからのこぼれ球を思い切り蹴ったボカのシュートがゲンクの選手の足に2回当たってゴールに入るというラッキーな先制点により、試合の展開が前半と後半でガラリと変わってしまった。
後半は一転してアウェイゴールで逆転されたゲンクが攻め、シュツットガルトが守るという展開に終始し、黒人選手を揃えてフィジカルに勝るゲンクが体当たりサッカーを仕掛けてきてバタバタと倒れるシュツットガルトの選手。しかしカバーに走り回る岡崎を筆頭としてシュツットガルトは良く集中して守り、58分には相手のボールを高い位置で奪ってからのカウンターでゲントナーが2点目を決め、ここでほぼ勝負はついてしまった。
岡崎は62分にPAの中でステップから相手を交わしてフリーでシュートを放つ場面を作ったが、力みすぎてボールは明後日の方向に飛んでしまい、結局77分で交代。恐るべき運動量で攻守に走り回ったが、日本代表とは違ってフリーになった時に来るボールの正確性が足りず、相手を背負った状態で何とかする事を強いられ、まだまだ消化不良の状態は続いている。
酒井は後半こそ守備に専念して安定したプレイを見せていたが、前半は中途半端な上がりと攻撃からむやみに裏を取られる場面が目立っていた。味方のフォローもチームが好調だった時に比べると少なくて、パスコースが無かった面があったにせよ、彼本来のもっと思い切りのある攻撃が見たいところだ。

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