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「バイエルンの壁に跳ね返される」UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16第1レグ アーセナル-バイエルン・ミュンヘン

2013年になってからブンデスリーガで無失点という快進撃を続けるバイエルンに対し、アーセナルはかろうじて一矢を報いたものの結果・内容共に完敗という結末に、ホームのアーセナル・スタジアムは力の無いブーイングに包まれた。
身も蓋も無い言い方だが、フィジカルと走力を兼ね備えた選手を前線からずらりと揃え、彼ら全員が誰一人サボらず守備への切り替えに走り回る事が出来るようなチームに死角が無いのは当たり前で、そんなバイエルンに対しアーセナルは、決して守備が得意には見えないラムジーやアルテタを中盤の底に置いているわけで、日本がフランスやブラジルに対して遠藤と清武をボランチにしているのと同じような構図と言えば、もはや結果は明らかであろう。
しかもバイエルンは、すっかり怪我から復帰したロッベンさえミュラーの控えにし、先発のリベリも得意のドリブルをほとんど披露する事無く、ひたすらアーセナルの選手を追いかけ回す働きをしており、リベリと交代で入ったロッベンもそれは同じであった。それを見ていると、モウリーニョ監督がインテル時代にエトーをSBのごとく守備に走り回らせていた事を思い出してしまった。それだけ、今期に雪辱を期すモチベーションと、シーズン終了後の退任が決まっているハインケス監督の花道を飾りたいという意欲が高いのだろうが、それにしても凄まじい。
逆にアーセナルは、試合開始7分にミュラーの突破からのクロスをラムジーがクリアミス、これをクロースにダイレクトで叩き込まれると、21分にはバイエルンのCKの場面で、メルテザッカーがファン・ブイテンのマークを放してしまい、ラムジーの前で流したボールをミュラーに押し込まれるなど、つまらないミスが多すぎた。
しかも再三、好調ミュラーとラームにサニャのサイドがいいように破られるなど、果敢に中央突破を仕掛けていたウィルシャー以外は選手に覇気が感じられず、ラッキーなバイエルンからのプレゼントゴールも全く慰めにならなかった。
正直、アーセナルにとってはほとんど白旗を上げざるを得ない状況ではあるが、希望があるとすればバイエルンのコンディションだろうか。シーズンを通してここまでほとんど綻びを見せずにハードワークを続けているが、そろそろ疲れが出始める時期であるのも事実。次戦はシュバインシュタイガーが出場停止でもあり、ハビ・マルティネスが好調とはいえ付け入る隙がゼロではない。そこにピークを集中させて早い時間に先制点を挙げて慌てさせたいところだ。

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