サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「ラテンのしたたかさに敗れる」UEFAヨーロッパリーグ ベスト32第1レグ バイヤー・レヴァークーゼン-ベンフィカ

チャンピオンズリーグ敗退組が加わってのヨーロッパリーグベスト32。レヴァークーゼンの相手は、バルサとセルティックがいた組で3位になったベンフィカになった。
とにかくこの試合で際立っていたのは、ベンフィカの守備のしたたかさ。レヴァークーゼン最大の武器である、組織的なプレスから3トップが繰り出すカウンターには、コンパクトでメリハリのある積極的なラインディフェンスで前線の飛び出しを牽制しつつ、1トップのキースリングには終始厳しい対応でポストプレイを許さない。
マイボールになるとSBが極めて高く上がって2バック状態になるレヴァークーゼンのサイド攻撃については、SHとボランチがボールサイドを交互にカバーする4バック+1で、クロスへの素早いマークと3トップに対しての数的優位を保ち続ける。
そしてカウンターを仕掛ける場面では、レヴァークーゼンのSBが上がったスペースを単に使うだけでなく、1トップのカルドーソを中心とした前線の個人技でじっくりとボールをキープし、決して攻め急がずクロスカウンターを食らうリスクを最小限に抑える。
これでベンフィカは膠着状態を作り出すことに成功し、淡々とした流れで前半を乗り切ると、後半16分にセットプレイからの大チャンスをレヴァークーゼンが逃した直後のプレイで、クリアボールを細貝がかぶってしまったミスを逃さず、ゴール前では相手の決死のスライディングを交わす余裕を見せての決勝ゴールを決めてしまった。
その後はレヴァークーゼンも攻勢を強め、主にセットプレイから何度も決定的なチャンスを作るのだが、この日は運に見放されて全てことごとく決まらず、最後は疲れてグダグダになって終了と、レヴァークーゼンにとっては何ともナイーブな試合をやらかしてしまった。スタイルやカラーの違うチームが自国リーグに少なくて、バイエルン以外は欧州に出ると経験の差でやられる、というブンデスチームの弱点がそのまま出た試合だったね。
細貝は右SBとして久々に先発。相手にガッチリとサイドを抑えられながらも、スペースがあれば果敢に攻め上がり、惜しいクロスを放つ場面もあったが違いを作り出すには至らず。失点シーンに絡んだのももったいなかった。カドレツも復帰したし、右は得点力があるボエニシュが優先されているし、何か大きな結果が出ないと今後も出場は厳しそうだ。

モバイルバージョンを終了