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「赤いドルトムント」UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16第1レグ シャフタール・ドネツク-ボルシア・ドルトムント

グループリーグで前年王者であるチェルシーを下して決勝トーナメントへと勝ち上がってきたシャフタールという難敵に対してアウェイで戦う事になったドルトムントだったが、終了間際にCKからフンメルスが頭で決める劇的なゴールで、何とかドローに持ち込む事ができた。
試合は、ホームのシャフタールのほうがあまり前に出てこず、ドルトムントのほうが中盤でボールを持てる展開になったのだが、シャフタールのコレクティブカウンターが非常に強力で、ボールを奪ったらどんどんと選手が前に走りこみ、その中を正確で早いタッチのパス回しでつないで来るという、もしユニフォームが赤じゃなくて黄色だったら、こっちがドルトムントじゃないかと思ってしまうぐらいの完成度を見せていた。
しかもアンジにエース格のウィリアンが引きぬかれても、アドリアーノ、ティシェイラ、タイソン、コスタと、どっから見つけてくるんだというぐらいに能力の高いブラジル人をずらりと揃えていて、下手なビッグクラブ顔負けの攻撃力を持っている。
対するドルトムントのほうは、香川がいた時に見せていた流れるようなワンタッチパスの攻撃はすっかり影を潜めてしまい、どちらかと言うとゲッツェやロイスを中心として、ボールを持ったら個人の推進力で前へ運び、相手の守備を引きつけてバランスを崩してから決定的なチャンスを作るというサッカーに変貌していた。
ドルトムントが同点に追いつく1点目を決めたのもそんな形で、右サイドでゲッツェがボールキープをしつつ溜めを作り、クロスの跳ね返りが帰ってきたところを股抜きで狙ったグラウンダーのパスをレヴァンドフスキが決めたもので、香川が居なくなったドルトムントの攻撃を今はゲッツェが完全に牽引している事を象徴するようなシーンだったと言える。
以前のように、ホームでもアウェイでも遮二無二プレスをかけて早い攻撃を仕掛ける事が無くなったので、守備がスカスカになったところをポカであっさりとやられる事は少なくなったが、それでもこの試合ではフンメルスがフィードをかぶって2失点目を食らったり、サンタナが不安定な守備で度々シャフタールのブラジル人アタッカー連中に抜かれるなど、次のホーム戦でも無失点で終えられそうな様子ではない。
是非ドルトムントにはこのまま勝ち上がってもらって、マンUとの対戦でジグナル・イドゥナ・パルクに凱旋する香川を見たいと思っているので、ホームではきっちり先制点をゲットしてシャフタールの粘りを封じてもらいたいところだね。

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