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「やるべき事はやって折り返し」UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16第1レグ レアル・マドリー-マンチェスター・ユナイテッド

CLベスト16最大のビッグマッチとなったレアル対マンUの対戦は、予想通りに香川が先発するという日本人にとっては非常に楽しみな試合になった。
その香川の位置は左SHだった前回のサウサンプトン戦とは異なり、なんと4-4-1-1のトップ下。そしてトップ下と予想されたルーニーは右SHに入り、左はウェルベックという形になっていて、どんだけファーガソン監督はCLでドルトムントがやりたいねん、と思ってしまった(笑)。
ところが、残念ながら試合内容はドルトムントとは似ても似つかないものになってしまった。マドリーの左サイドは、クリロナだけでも大変なのにコエントランまでもが活発に攻撃参加をするので、SBのラファエルが青息吐息なのはもちろん、ボランチのジョーンズまでもが引っ張られる始末。そして右サイドもディ・マリアが好調でウェルベックも低い位置に押し込められる。
当然、前線のファン・ペルシと香川は孤立してしまい、香川も何とかバイタルでボールを受けようとポジショニングしてみるのだが、ケディラのマークを受けている上にボランチからのパスも正確性を欠いて香川までボールが渡らない。仕方なく、ファン・ペルシにロングボールを当てて香川が裏へと抜けだす攻撃に切り替えるのだが、さすがにそう簡単にはチャンスは作らせてもらえない。
と思ったら、香川がゲットしたCKからウェルベックがヘディングを決めてマンUがワンチャンスで先制!・・・したものの、10分後にはレアルが右サイドでのパス交換からクロスを上げると、エヴラがクリロナのジャンプを抑えきれずに高い打点から決められてしまった。
レアルはマンUのマークを分散するために2列目のクリロナ、エジル、ディ・マリアが激しくポジションチェンジをし、チャンスと見ると中へ飛び込んでいく攻撃が機能し、何度もゴール前でポイントを作って攻め立てるものの、この日はGKデヘアが好調で機敏な反応でシュートをことごとくブロック、ケディラの放ったミドルが味方に当たってコースが変わったシーンも防ぎきるなど、MOM級の働きで失点を許さない。
後半になって、香川とウェルベックの位置を変えて香川がボールに触りやすくなったかと思ったのだが、10分後にはマンUが完全にベタ引き状態になり、香川も疲れが見えてきて守備でいっぱいいっぱいになって来たのでギグスに交代。
そこからはレアルが圧倒的にボールを支配するものの、ジョーンズにクリロナをびっちりマークさせつつPA付近に厚い壁を築くマンUに対して攻めあぐねるようになり、モウリーニョはイグアインを投入してクリロナをトップにした4-3-3にし、さらにモドリッチを投入して縦パスで切り込もうとしたのだがマンUも何とかピンチをゴール前で掻き出す。
マンUも、72分にファン・ペルシがゴール前で抜けだして浮き球をドフリーでボレーしたもののうまくヒットせずに得点にならなかった場面など、いくつかカウンターから惜しいチャンスはあったが決めきれず、最後はロスタイムにCKをゲットしたところで笛を吹かれるという、アジア予選オージー戦のような結末で終了。サンチャゴ・ベルナベウでの試合で貴重なアウェイゴールを獲得してのドローと、マンUにしてみればまずまず満足な結果で折り返した。
香川については、予想よりも味方がボールを保持できず全く彼向きではない試合展開になってしまったが、何とか自分のやれる事はやったという感じ。コンディションもまだ戻ってないのか、裏抜けとパスコース切りの往復ダッシュをした前半で既に疲れてしまっていた様子だった。まあ、身体的なものよりも世界が注目するビッグマッチをこなした精神的な疲労も大きかったのだろう。香川本人にとっては少々ほろ苦い試合になってしまったが、これも貴重な経験になったはず。第2レグでの鬱憤ばらしに期待だね。

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