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「これが反攻のきっかけになるか」イタリア・セリエA第24節 インテル-キエーヴォ

公式戦で4試合勝ちがなく、いつの間にか出遅れていたライバルのミランに勝ち点で並ばれてしまったインテルだったが、ようやくキエーヴォとのホーム戦で勝利。何とかチャンピオンズリーグ圏内となる3位ラツィオとの差を1にまで縮めた。
とは言え、序盤の試合内容は非常に危なっかしいものだった。試合開始2分で、CKからのこぼれ球をダイレクトでカッサーノが放ったシュートがキエーヴォGKプッジョーニの手に当たって先制したのはいいけれど、ゴール前でのマークの受け渡しがあいまいで、21分にドフリーで抜けだされたリゴーニにスローインからのクロスをやすやすと決められてしまった。が、この日のインテルには運が味方し、その5分後にはCKからファーにいたラノッキアがうまくヘディングをコースに決めてすぐリードを奪った事で、選手も大分落ち着いた。
この試合からミリートが復帰して、カッサーノとパラシオが組んだ3トップの4-3-3になった効果は絶大で、ミリートが中央でボールをしっかり収められる事でカッサーノが自由なポジションを取ることが出来、左サイドでの長友とのコンビのみならず、時にはボランチまで下がってロングスルーパスを出してみたりと、ゲームメイクをする選手がいないインテルの弱点をカバーする事が出来ていた。しかもミリートは、後半開始早々に4人の選手に囲まれながらも絶妙なトラップからゴールを決めるなど、格の違いを見せつけた。
中盤は、アンカーにクズマノビッチを置いて左右をガルガーノとカンビアッソという構成にしていたのだが、クズマノビッチは無難な出来だったものの、カンビアッソは相変わらず攻撃に良いアクセントを加え、久々に好調さを見せたガルガーノは豊富な運動量で長友と一緒に左サイドを制圧、リードを作ってからは非常に安心して見ていられるプレイぶりだった。
もともと、あまりラインを上げずにあえて中盤にスペースを作り、相手の守備の狙いを分散させたところを選手の個人能力で打開するサッカーが持ち味のインテルにとっては、やはり前線は1人でチャンスを作って点を取れるタレント、中盤は読みと運動量に優れた選手が必須であり、この試合ぐらいのメンバーが揃わないとやはり厳しい。インテルはスタンコビッチが9ヶ月ぶりの出場を果たしたが、彼もしっかり働いてもらわないとCL圏内には入れないだろう。
長友については、代表戦の長旅の後でありながら、試合の最後まで落ちない運動量を披露し、コンディションが8割程度まで戻っている事を見せてくれた。ポジションはSBではあったが、後半はガルガーノがカバーに回ってほとんどSHのようなポジションでプレイし、チャンスには何度か絡んだものの得点にはつながらず。もうちょっとその辺が合ってくれば、再び全開の姿が見られそうだ。

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