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「別の意味でイタリアとはやりたくない」国際親善試合 オランダ-イタリア

オランダがボールを持つと、当たり前のようにDFラインがズルズルとPAの中まで下がり、何度も至近距離から放たれる決定的なシュートを、GKブッフォンが超人的な反応で弾き返す・・・まるで、昨年のユーロで決勝まで進んだイタリアが、直前のロシア戦で0-3と惨敗した時の録画を見ているようだった。
それはイタリアの状態が悪いと言うよりも、正直に言って明らかな手抜き。イタリアの選手は怪我をしたくないというのもあるのか中盤でほとんど体を当てに行くこと無くスペースを埋めるだけで、期待のエル・シャーラウィはほとんど守備に戻りっぱなしで、フォーメーション的には4-3-3だったのかもしれないが、事実上の4-1-4-1になってしまっていた。
対照的にオランダは、良く知った選手はぶっちゃけ1トップのファン・ペルシだけで、後はほとんどがオランダリーグに所属する若手ばかりで構成されたチームながら、ファン・ハールのチームらしくトライアングルを形作る活発な動きと正確なパスワークでサイドを制圧、自陣に引きこもるイタリアを徹底的に攻め立てる生きのいい内容を見せつけた。
オランダの先発選手の中で唯一のベテランと言えるファン・ペルシも、問題児として知られたフェイエノールト時代が嘘のように、何度もバイタルで楔を受けては周りに丁寧なボールを送り、プレイが勢いだけで突っ走りがちになる若手選手に対して、落ち着いた緩衝役となる溜めと配球が非常に目立っていた。
イタリアは、前半の終わり頃からようやくアバーテを中心としてSBの攻撃参加で盛り返したものの、後半になってオランダにロッベンが入ってくると、やはりサイドでの攻守が逆転されてしまい、おざなりなイタリア守備の間を突くロッベンのドリブルが冴え、またもブッフォンは大忙し。
ところが、やはりオランダに危惧された若さが出てしまい、イタリアが71分にジラルディーノを投入して4-4-2にした事への対応に戸惑い、やっとこさ本気を出したイタリアの執拗なサイド攻撃を止められず、PAの中でジラルディーノにポストプレイを許し、パスを受けたヴェッラッティに同点弾を決められてしまった。
オランダはアフェライが怪我、スナイデルはインテルで試合に出ておらず、フンテラールは眼の疾患で長期離脱の可能性と満身創痍だが、ここまで若手がやれたというのは非常に心強いものがあったのではないだろうか。そしてイタリアについては、ある程度本気を出して来そうなコンフェデでならともかく、日本に呼んでの親善試合だけはやりたくない相手だよね(笑)。でもザックがいたら半分ぐらいはやる気を出してくれるかも?

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