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「ラキッチいきなり2得点」ドイツ・ブンデスリーガ第20節 HSV-フランクフルト

リーグで上位をうかがう好調HSVとのアウェイ戦に臨んだフランクフルトは、ヴォルフスブルクからレンタル移籍してきたラキッチが、いきなり初試合で2得点という鮮烈なデビューで快勝を飾った。
フランクフルトは2列目の乾、マイヤー、アイクナーが好調ではあったが、日本代表のように1トップの人材に苦労してきて、今まではフィジカルだけのオーシャン、とても1トップ向きではないマトムールといった選手でやりくりせざるを得なかったわけだが、そこにやっとこさ適したピースが嵌った形になった。
ラキッチは、マイヤーの前にいると言うよりは、マイヤーと並んで2トップのようなポジションを取っている事が多く、マイヤーと交互にポスト役として下がっては中盤にボールを渡す役割をしっかりこなしてくれるおかげで、今まではひたすら中央突破かロングボールに頼っていたフランクフルトの攻撃が、見違えるようにサイドへとスムーズに展開されるようになり、乾もわざわざ中央に寄らなくてもボールが回るようになっていた。そうなると、マイヤーもラキッチも高さがあるのでクロスの効果は抜群に高くなるという一石二鳥。
ただ、乾個人の出来としてはやや不完全燃焼かなと。この試合ではHSVが攻めてフランクフルトがカウンター狙いという形になっていて、しかもHSVのキーマンであるファン・デル・ファールトが乾のサイドでボールに絡むことが多く、前半のうちは守備的なポジションを強いられていたので乾自体の攻撃回数はあまり多くはなかった。得意のドリブルも、ピッチが荒れていたのもあってロストやパスタイミングが遅れる場面が多く、攻撃のアクセントとして溜めを作るという点では良かったが、実効性としてはいまいちだった。
後半になると、今度は乾とは逆サイドでHSVの攻撃が活性化し、乾は高いポジションからSBオツィプカに押されるようにして中へ入る形が多くなったが、やはりフランクフルトの攻撃はサイドへと展開する攻撃に終始して、なかなかゴール前の良いタイミングではボールはもらえなかった。ゴール前へと飛び出す場面もあったが、フィジカルで競り負けて自分の体勢に出来なかった。
今日は代表のラトビア戦があるが、当たり負けしないフィジカルやパスタイミングの判断力、90分持続する集中力がもっと高くなれば、香川や本田は難しいとしても、清武や岡崎より高い序列に上がれる可能性は十分あると思う。文句ばかりを書いてしまったけど、あと1、2歩の頑張りを期待したい。

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