「まずは様子見の滑り出し」イングランド・プレミアリーグ サウサンプトン-エヴァートン

突然の監督交代劇で激震したサウサンプトンのリスタートという事で注目が集まった試合だったが、いきなり清武を先発から外したニュルンベルクの監督とは違い、リアリストのアルヘンティーノらしくボチェッティーノ監督は今までのチームをほとんどいじらずに初戦に臨んだ。
あえて、アドキンス監督と違う部分を探してみるとすれば、より各選手のポジションバランスを整えるようにしているのかな、とは感じた。これまで培ってきた、吉田のラインコントロールによる積極的な押し上げをベースにして、シュネイデルランとコークがバイタルでしっかり網を張ってエヴァートンのパスを寸断し、ランバートら前線の選手が交互にバイタルで基点を作り、そこから素早くサイドに展開するという形が非常にスムーズで、特に前半はほとんどサウサンプトンペースだったと言っても良い展開だった。
エヴァートンは、1トップのイェラビッチが不調で吉田に常時高さで競り負ける状態で、巨体とアフロで目立ちまくるトップ下のフェライニも、サウサンプトンのコンパクトなディフェンスの前にこの試合では存在感が出せていなかったが、後半からはフェライニがボランチの位置まで下がった事で、サウサンプトンの中盤が深追い気味になって、バイタルエリアを使われてのカウンターを繰り出し始め、2度ほど決定機があったがシュートミスとボルツの好セーブで命拾い。
パンチョンがトイレのためにしばしピッチを離れるというアクシデント(?)の後は、ようやくサウサンプトンも守備に落ち着きを取り戻し、何度か散発的なシュート場面はあったものの両チームともに決められず、スコアレスドローで試合終了。
サウサンプトンにとっては、前半37分にGKハワードに間一髪で阻まれた2度の超決定機のどちらかを決めていれば、という試合だったが、5位のエヴァートン相手に勝ち点1を取れたのは存外な結果で、ひとまずアドキンス監督解任の余波は最小限に留められたというところ。
吉田については、イェラビッチの出来が悪かったとはいえ空中戦ではほぼ完勝、後半に疲れでチェックが遅くなって相手の繋ぎを許す場面もあったが、全体的にはきちんとラインを統率して落ち着いたプレイが出来ていた。ブログによると、これからバルセロナでミニキャンプらしいが、新監督のカラーが次戦のマンU相手にどんな形で出て来るのかに注目したい。