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「孤立した清武弟」インカレ決勝 早稲田大学-福岡大学

インカレと呼ばれる全日本大学サッカー選手権大会の決勝戦は、J1大宮に入団が内定している富山を擁する早稲田が、清武弟が率いる福岡大学を破って5大会ぶりの優勝を飾った。
3-1というスコアの差以上に、早稲田のほうが内容的に福岡を上回っていた試合だったが、それは早稲田が良かったというよりも、福岡の試合運びが大学日本一を決める試合とは思えないほど残念だったなという印象が強い。
福岡の狙いとしては、しっかり守備をしてカウンターというところだったのかもしれないが、守備のゾーンがあまりに早く引きすぎ、早稲田がボールを後ろに戻してもラインの上げ方が緩慢なので、終始早稲田がPAの内外でパスを回しているような状態だった。
しかも、せっかくマイボールにしても奪う位置が低すぎるので、前線に残っている岸田と清武までパスをつなげられず、今どき高校選手権でさえ見られないようなドッカンクリアや、無理やりなワンタッチパス、難しいスルーパスのミスでまたセカンドボールを拾われてしまう。
福岡大の監督の談話によれば、勝ちを意識し過ぎて固くなった、という事だそうだが、前半30分過ぎから終わりにかけては、福岡大も早いプレッシャーから積極的な攻撃参加でサイドを破ってチャンスが作れていたので、本来であればもっとやれるチームだったとは思うのだが、そういう姿が見られた時間帯が非常に短かったのが残念だった。
注目の清武弟については、ボールを持ってからパスを出すまでの判断が的確で早く、福岡大のチャンスはほとんど彼の足から創りださせれていたと言って良い。純粋なキック精度についてはお兄さんよりもやや落ちる感じだが、既に実力はJで証明しているだけに、入団が内定している鳥栖での活躍が期待される。
早稲田ではやはり富山選手が目立った。身長は180cmと1トップとしては少々物足らず、この試合では福岡大DFに高さで勝つ場面は少なかったが、足で受けるポストプレイの柔らかさとそこからつなげるパスセンスに非凡なものがあり、得点感覚にも優れている。鹿島の大迫にタイプが似ていて、すぐにJ1で大活躍とは行かないだろうが、じっくり育てていけば化けそうな選手である。

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