「CSKAへの惜別弾?」ロシア・プレミアリーグ第16節 CSKAモスクワ-モルドヴィア・サランスク

ロシア・プレミアリーグを見ない人には多分想像がつかない事だとは思うが、リーグにいるチームの平均レベルを見ると、下手をするとドイツやプレミアよりも上なんじゃないかと思う時がある。
この試合でCSKAが対戦したモルドヴィアは、昨シーズンは下位リーグにいたチームで、現時点でリーグ最下位に沈んでしまってはいるのだが、Jリーグを思わせるような丁寧に素早くパスをつないで攻撃をして来るチームで、CSKAは勝ったとはいえ押される時間帯もあったりして、かなり手こずらされた相手であった。
と言うか、はっきり言ってニュルンベルクやホッフェンハイム、サウサンプトンよりもサッカーとしてはずっと真っ当かつ組織的で、確かに彼らに比べると個々のレベルでは下がるのかもしれないが、見ていて大変楽しいものであった。
ただ、悲しいかな弱みについてもJリーグと似ている部分があり、人数をかけて攻め込んでも最後の部分で決定力が足りず、得点を決め切れないままに時間が過ぎてしまい、攻めに気を取られて一瞬の集中力を欠いたおかげでみすみす失点してしまう。
この試合の先制点は本田が決めたものだが、本田からムサ、本田、ジャゴエフと渡ったワンツーを交えたパスワークについて行けず、ジャゴエフが放ったシュートをGKが弾いたボールを本田が押し込んだもので、守備に人数をかけていながらも個の力でこじ開けられてしまうところは、この前のブラジル戦を思い起こさせるものだった。
リヴァプールやインテルなど、冬の移籍についての噂が賑やかになりつつある本田は、この試合でロスタイムに交代する時、珍しくCSKAのサポーターに対して拍手を促していたところを見て、ウインターブレイク前のホームラストゲームだっただけに、実はお別れのあいさつのつもりだったのではないかとあちこちで書き立てられているようだ。
それはともかくとしても、この試合での本田は完全にチームの王様で、中盤ではまず本田にパスが集まるし、1点目は一連の起点&ゴール、2点目はドフリーのママエフに絶好のパスを流して得点のお膳立てと、自分がCSKAのオーナーだったら絶対に手放したくないと思わせる活躍だった(笑)。まあ、どんなに頑張ってもあと1年の契約なので、この冬か次の夏の移籍はほぼ確実だが、果たしてどうなる事やら。