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「名門ガンバまさかの降格」J1第34節 ジュビロ磐田-ガンバ大阪

J1に天皇杯、ACLとおよそJリーグのクラブとして取れるタイトルを全部取って来た名門クラブのガンバ。しかし勝てば残留が決まる最終節のジュビロ戦に1-2で敗北、20年目にして初のJ2降格という屈辱を味わうことになった。
残留争いのプレッシャーがあったのかもしれないが、試合の内容的にも、残念ながら「J2に落ちるはずのチームではない」とはとても言えない極めて低調なものだったのには、かつての強いガンバの試合を何度も見ていた人間にとっては寂しい限りであった。
遠藤がボールを持った途端、周りの選手が一斉に相手ゴールへと動き出し、ボールと選手が一切淀みなく流れるようなパスワークでフィニッシュまで持っていく・・・のがガンバサッカーだったはずなのだが、この試合では全ての選手が足元、足元へとボールをつなぐだけ、遠藤が前を向いても周りの動き出しが全く無く、かろうじて攻撃らしき形が見られたのはレアンドロがポストプレイをした時のみ。
攻撃が悪ければ守備でどうにかすればいいのだが、今シーズンガンバが2得点以内で終わった試合は何と全て未勝利というデータが示すように、とにかく守り切ることが出来ない。この試合の1失点目が象徴的で、まず遠藤が軽い対応でサイドを抜かれ、カバーに入った藤春が中途半端な対応でライン際を突破され、最後はディフェンスと藤ヶ谷が交錯してのゴールと、3つのミスが重なってしまっている。これでは勝てる試合にも勝てないのは当然である。
ガンバは、後半も25分を過ぎてからようやく磐田ゴール前に人数を送り込んで怒涛の攻撃を見せたのだが、レアンドロのバーに当たるシュートや、オフサイドになった遠藤のシュートなど、数々あったチャンスを物にできず、またも人数を揃えていながらカバーリングの統率が取れずに右サイドから小林に2点目を決められてジエンド。新潟が勝利し、セレッソが引き分けに終わったためにガンバのJ2降格が決定した。
試合後の選手の表情を見ると、まさに「こんなはずじゃ無かった」というのがクラブ全体の気持ちなのだろうが、これからもそういう気持ちのままであったのだとしたら、来季のJ1昇格は危ういと言わざるを得ない。まずは、初心に帰ってひとつひとつのプレイをおざなりにせず、球際の競り合いや1対1の対応で個人個人が絶対に負けないという意志を持ち続けることが出来るかどうかにかかっていると思う。関西人としては、本当に頑張って欲しいと願うだけである。

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