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「監督解任ダービーで何とか勝利」イングランド・プレミアリーグ QPR-サウサンプトン

両チームとも開幕から絶不調で最下位争いをしているとあって、負けたほうが監督解任だと噂される対戦になってしまった試合は、ホームのQPRがサウサンプトン相手に1-3で負けるという、言い訳のしがたい結果になってしまった。
逆にサウサンプトンにとっては、ひとまずアドキンス監督の首がつながった格好になったが、チームが良かったと言うよりはQPRに助けられたと言っていい内容であり、まだまだ到底安心はできそうにない様子であった。
以前に、サウサンプトンの選手ではショートパスサッカーをやるには無理があるのではないかと書いたのだが、QPRの場合はそれにも増してミスマッチが酷く、まだサウサンプトンはツータッチ以内でパスをするリズムがあったのに対し、QPRはとにかく各選手の持ちすぎで全くパスワークが作れず、シセやトラオレをサイドに走らせてロングパスの威力はあったのに、何故かほとんどそういう攻撃をしようとしていなかった。CBのフォンテにスピードがないだけに、吉田をサイドへおびき出せばもっとチャンスは作れたはずなのだが。
この試合でのサウサンプトンの得点も、セットプレイからの空中戦のドサクサと、何故か突然大爆発したパンチョンのミドル、そしてオウンゴールとほぼQPR自身が招いたミスを突いたものであり、決して得意(?)のパスワークから生まれたものではないし、やはりショートパススタイルをやっているメリットが出たようには思えない。
QPRはシセとトラオレでロングカウンター、サウサンプトンはとにかく1トップのランバートに当ててセカンドボール狙いに徹すればもっと勝ち点を拾えるはずだと思うんだけど、なんか古式ゆかしいイングランドスタイルじゃなくてバルサスタイルを志向したくなるコンプレックスでもあるのかなとさえ思ってしまう。
まだサウサンプトンに救いがあるとすれば、23歳と若いボランチであるコークが徐々にフィットしてきたこと。シュネデルランとのコンビが出来てくれば、もっと中盤が安定して吉田も守備に振り回されることが少なくなるだろう。
吉田をよくスタメン予想から外すガーディアン紙は、この試合で何故か吉田をマン・オブ・ザ・マッチに選んでいるが、完全に相手を見失って裏を取られるピンチを招いた場面もあって、個人的にはあまり良い出来だったようには見えなかった。まあ、勝利という結果と、惜しいバイシクルシュートを放ったおかげで目立った故かもしれないけどね(笑)。

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