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「エースキラーの本領発揮」ドイツ・ブンデスリーガ第12節 バイヤー・レヴァークーゼン-シャルケ04

スカパーフジが1節に3試合しかブンデスリーガの試合を放送してくれないので、なかなか準レギュラーである細貝の試合を見る事ができなかったんだけど、ようやくシャルケとの対戦で観戦。
で、試合を見てみると細貝の出来うんぬんよりも、レヴァークーゼンのサッカーがなかなか新鮮で楽しめたというのが第一印象。
最近のブンデスリーガと言うと、バイエルンのリベリやドルトムントのゲッツェ、シャルケのファルファンというように、攻撃の核として個人能力に長けたドリブラーを配置するのがセオリーになっているわけだが、レヴァークーゼンにはゴンサロ・カストロというスペイン系の選手はいるものの、基本的にはドイツらしい正確なミドルパスとレンジの長いシュートで押していくサッカーをやっていた。
レヴァークーゼンのフォーメーションは、後ろの7人と前の3人がはっきり分かれている4-3-3で、ライナルツ、ロルフェス、ベンダーというドイツ代表クラスの中盤とDFがコンパクトにまとまってしっかり守り、そこから前線のキースリングやシュールレにビシビシとミドルパスを通し、そこを基点に素早く中盤が攻め上がって数的優位を作り、ゴールまで一気に攻め切ってしまうスピードは痛快ですらある。
そういう速攻サッカーでは、SBはオーバーラップなどの攻撃よりも7人のゾーンで守り切るだけの守備力が要求されるわけで、特に最近のサッカーではいかに相手のサイド攻撃を止めるかが重要視されている事を考えると、運動量とアジリティがあってマンマーク能力に長けた細貝がレヴァークーゼンのSBとして重宝されるのは当然だろう。
この試合でも、細貝は対面のファルファンをしつこくマークしてイライラさせ、後半にはファルファン自体が中に入り込んで細貝のマークを避けるような姿勢を見せ始め、最後には監督に交代を命じられた挙句、ベンチで監督と言い合い、自らロッカーに下がっていってしまった。それがシャルケ全体の攻撃を機能不全にした事も含めて、細貝の働きが殊勲だった事は疑いない。
あと細貝の良い所は、一発で戦況を打開するようなパスセンスは無いけれど、変なつまらないパスミスを犯さないところで、パスコースがあれば必ず確実にパスを通してくる。まあ、たまにパスを受ける方の事も考えろ、と言いたくなるような危ない逃げパスを打ってしまう時もあるが、確実性の高さはチームの中でも上位にあると言える。
怪我の前はSBのレギュラーだったカドレツが復帰してどうなるかはまだ分からないが、自分が監督だったら贔屓目を抜きにしても、相手のよっては細貝を先発させる価値は十分あると思うのだが・・・はてさて。

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