「ニュルンベルクはバイエルンと価値あるドロー」ドイツ・ブンデスリーガ第12節 ニュルンベルク-バイエルン・ミュンヘン

前節はマインツに1-2で敗れたとはいえ、ようやく復調の兆しが見え始めたニュルンベルク。その要因は、トップ下では全くボールが来なかった清武が、右SHに移ってボールが持てるようになったからという点もあるが、主には4-2-3-1から4-1-4-1へとフォーメーションが変わった事の効果が大きいと思っている。
清武以外はまともなパサーがいないニュルンベルクの場合は、4-2-3-1で間延びした空間を無理なミドルパスでつなぐよりも、中盤とDFラインの間をコンパクトに保ちやすい4-1-4-1にして、ひたすらボールを奪ってショートカウンターに徹したほうが効果が高い。パサーはいないけど電柱だけは何故か豊富なので、トップ下を置いて中を突破するよりもサイド攻撃中心のほうが安全で確率が高いしね。
ただ、その場合はボールを奪ってからのつなぎでミスが出ると、すぐゾーンの裏にボールを通されてピンチになる弱点があるが、バイエルンが開始3分で取った先制点はまさにその形がハマッてしまったもので、これはこの先どうなるかと心配させられたのだが、ニュルンベルクは清武にボールを集め、彼が広い視野から幅広くパスを展開してプレッシャーをかいくぐる事で、うまくバイエルンのリズムを狂わせていた。
バイエルンは、代表戦とチャンピオンズ・リーグの過密日程を考慮してか、エースのリベリとハビ・マルティネス、ラームといったメンバーを落としてターンオーバーで臨んだのだが、縦に勝負を仕掛けられるメンバーが明らかに足りず、ハイプレスからチャンスを作り出せたのも序盤だけで、あとはGKシェーファーを中心としたニュルンベルクの粘り強い守りに攻撃を封じられてしまった。
逆にニュルンベルクは、この試合で先発に入ったフォイルナーが好調で、強烈なミドルで同点ゴールを挙げた事はもちろん、鋭い動きで攻撃のリズムを作り出していた。こういう選手が出て来てくれると、清武にとってもプレイがしやすくなるのでありがたい。
清武自身は、後半はさすがにガス欠したか存在感がさっぱりだったが、前半は幅広く動きながらボールをつなぎ、得意のセットプレイから2度ほど決定的な場面を作り出すなど、トータルで見るとまずまず合格点といったところ。ただ、序盤にバイタルで前を向けた場面でスルーパスを出してしまったけど、あそこは自分て打って良かったと思う。何せ、とにかく得点をもっと増やしたいところだね~。