サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「王手をかけるアウェイでの辛勝」ブラジルW杯アジア最終予選 オマーン-日本

最終予選中、最も厳しい気候と日程になっていた試合で、日本としては勝ち点1でも満足すべきだったところを土壇場でひっくり返しての勝利なのだから、結果としては申し分ないところではあるんだけど、もうちょっと試合をコントロールして欲しかったところだよね(苦笑)。
日本は、ほぼ予想されていたいつものメンバーでスタートしたんだけど、選手のコンディションと意識がバラバラで、特に日本のセンターラインにいる前田、本田、吉田が機能せず、ほとんど意図していた戦い方が出来ていなかった。
本田は最近のロシアリーグでも足をかばってか意図的に運動量をコントロールする試合が続いており、この試合ではロシアとは40度の気温差がある気候の影響も大きいのだろうが、前半のうちは全く体が動けておらず、判断も遅くて前線が動き出していてもパスが出せずにキープで誤魔化すプレイが目立ち、その上オマーンにガッチリマンマークを付けられていたので、ボランチの位置まで下がってしかボールが受けられず、DFのマークを常時受けていた前田が完全に孤立してしまった。
吉田はもともとそういう顔ではあるが(笑)、見るからに顔色に生気が無くて売りのフィードもミスを連発、前半のうちはラインを上げられずに中盤との距離が空いてしまい、今野との守備の連携もずれる場面が多くて、オマーンの単純なロングボールからセカンドボールを拾われる苦しい展開を自ら招いてしまった。失点につながったファールも、プレミアじゃ大丈夫な当たりだろうがアジアのアウェイじゃ確実に取られるプレイである。
本来であれば、吉田と酒井宏樹、今野と長友の2セットで相手のロングボールやカウンターを抑えるプランだったのだろうが、前者は吉田のコンディション不足と酒井の上がりすぎと絞り足りずでコンビが作れず、後者は単純に身長が足りなくて競り負けて、終始ハラハラさせられる守備になってしまった。
清武や岡崎も点を取った場面以外は、前線のセンターが機能しないので良いタイミングで前を向いてボールが受けられず、相手の守備陣形が固まった状態での攻撃を強いられて、決定的なチャンスを作り出すことが出来なかった。と言うか、決定的チャンス自体の数はオマーンと日本はほとんど同じだったよね。
ただ、日本にとってラッキーだったのは開始10分に早いスローインから折り返され、最後は完全ドフリーのシュートをオマーンが外してくれた事と、ワンチャンスで得点につなげられた事だろう。長友のクロスからの清武のゴールも、相手がカットをミスしてヒールに当たってコースが変わった結果である事を考えると、両方が逆の結果になっていても全くおかしくなかったわけで、運さまさまと言うしか無い。
そしてザックの采配によるフォローも当たった。おそらくはカウンターに対する守備を優先した狙いではあるのだろうが、酒井高徳を左SBに入れて長友を前に出し、動けない本田を1トップに押し出して2列目のプレスを強化、さらに細貝を入れて遠藤をトップ下にするという、後ろからの圧力を増強するプランが、図らずも攻撃の方で大当たりしてしまった。
これで日本は勝ち点13。裏のイラク対ヨルダンがイラク勝利に終わったので、日本は2位に勝ち点8差をつける完全独走状態。オーストラリアが1試合少ないとは言え、出場権の対象は3位との勝ち点差なので、日本は数字的にはあと1勝、得失点差を考えれば事実上はあと1引き分け以上で出場が決定する。つーか、中東勢が全てオーストラリアでのアウェイ戦を残している事を考えれば、もうほとんど出場は決まったようなものだけどね(笑)。
ま、そんな星勘定は置いといて、次でヨルダンに勝ってすっきりと出場を決めてもらいましょうかね!

モバイルバージョンを終了