「カレンは1トップの救世主となるのか」オランダ・エールディヴィジ第12節 VVVフェンロ-ヴィレムII

最下位に低迷するチームへのカンフル剤として、ロクホフ監督が行ったのは今流行である(笑)選手の総取っ替え。そのおかげで前節のAZ戦からカレンが1トップで先発に復帰し、大津は余波を食らってベンチ行きになってしまった。
今節も、ウイニングチームネバーチェンジの原則でカレンは先発。そして残留のライバルであるヴィレムIIに4-1で快勝と、それまで最高で2点しか取れずに未勝利だったチームが、いきなりの4発で連勝を飾るという予想外の展開になってしまった。
その秘訣として考えられるのは、オランダのクラブにありがちな、若くて身体能力は凄いけど判断力が皆無のエゴプレイマシーンな黒人選手を前線に並べるスタイルを捨てて、カレンを含めて前の選手がひたすらプレスして全員守備で頑張るスタイルに変わったからではないかと思う。
ぶっちゃけ、カレンは1トップだけどほとんどそれらしいプレイは出来ず、ボールはまともにキープ出来ないし、パスを受けても丁寧な落としが出来ずに、やたらと強いパスを返してしまったり、変に前へとボールをつなごうとしてロストしたりと、とても日本代表の1トップ不足を解決しそうにないプレイばかりであった(苦笑)。
しかし、そういうミスも周りの頑張りでボールを取り返せていたし、後半開始早々に左からのクロスに上手く飛び込んでゴールを決めてからは、サイドに流れては1対1で勝負する積極性が出始め、それがチームの攻撃全体にリズムを作り出して後半の得点爆発につなげていたように思う。
ただ、それも相手がAZやヴィレムという現在は下位に沈んでいるチームだからこそである。次の相手であるアヤックスには、今のようなサウサンプトン的マッチポンプサッカーがそう簡単に通用するとは思わない。とは言え、まだVVVのスタイルはガラガラポンから試行錯誤している段階なわけで、アヤックス相手にどう変化するのかが楽しみではある。