「怪我はしたが浮上のきっかけは見えた?」欧州CLグループH マンチェスター・ユナイテッド-ブラガ

香川は先発したものの前半途中で怪我をして後半から交代、チームはその後2点を奪っての逆転勝ち、そして昨晩は古巣ドルトムントがレアル相手にホームで勝利と、香川ファンにとってはいろいろと寂しいウィークデイになってしまった。
しかし、かえって香川が怪我をしてあまり動けなくなった前半の20分間に、これから彼が浮上できるきっかけのようなものが見えたような気がする。
スカパーのハーフタイムで、前半の各選手の運動量ベスト5が出されていたが、マンUのトップが実は香川で6.5kmという距離を残していた。いくら香川が怪我の後に無理をして走っていたとは言え、それでも一番の距離を残していた事は驚きというしか無い。
それは逆に言うと、それだけ走っていてもボールをもらえる回数が少なかったという証明でもあり、いかに香川の走りがチームと噛み合っていなかったが良く分かる。
今までは味方がボールを持つと、香川はとにかく相手のDFラインと中盤の間、バイタルエリアでボールをもらおうと細かくポジションを修正するのだが、今のところはほとんど良いタイミングでボールをもらえていない。ところが、怪我の後でルーニーとポジションを交代してトップ下に入り、怪我であまり動けず中盤でボールをさばく働きをし始めた途端、皮肉にもボールが集まるようになっていた。
ルーニーがそうなのだが、現在のマンUでは細かく浮遊しながらフリーになる動きをするよりも、はっきりとポジションを変更してボールをもらいやすくし、そこからワンツーやドリブルで仕掛けるメリハリのあるプレイをしたほうが、他の選手にとってもやりやすくなるのではないだろうか。
ただ、問題はファーガソン監督がそういうサッカーをダイアモンド型に望んでいるのかどうかという点。サイドアタッカーであるナニやバレンシアを使わず、香川とクレヴァリーを中盤で使っている事からも、爺さんはあえてサイドアタックを封印しようとしているフシがある。普通の監督であれば、ファンやマスコミ、選手の反発が怖くてそんな大胆な実験は絶対にやらないだろうが、完全独裁の爺さんはそれぐらい屁とも思ってないだろうしね。
怪我の具合がまだはっきりしなくて心配だけど、ダイアモンド型サッカーの成否はある意味香川の働きにかかっているわけだし、万が一「否」となると爺さんは遠慮なく結果を出せなかった選手を干すだろうし、楽しみでもあり怖くもありという感じだね。