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「南米強豪対策のお手本だったが・・・」ブラジルW杯南米予選第9節 アルゼンチン-ウルグアイ

結果的には、ホームのアルゼンチンがウルグアイを3-0で一蹴した試合になってしまったのだが、ウルグアイの戦い方はアルゼンチンやブラジルといった前線に強力なタレントがいるチームに対してのお手本のような内容だった。
ウルグアイはDFラインがメリハリのある統率が取れたラインコントロールで前線の飛び出しを許さず、中盤とDFラインでアルゼンチンのアグエロ、メッシ、イグアインをきっちりサンドイッチ、ディ・マリアらによるサイド突破には足ごと持って行くような深いタックルで確実に仕留めるなど、ウルグアイの伝統に恥じない緻密でハードなディフェンスを見せつけ、前半はほぼアルゼンチン攻撃を沈黙させた。
チームとしての戦い方はほぼ完璧だったウルグアイにとって不幸だったのは、アルゼンチンには好調なメッシがいた事。メッシがボールを持つと、飛び込めば交わされるし単純に体で当たっても倒れず、運動量が落ちてきて2人がかりで当たれなくなったウルグアイは、メッシから自由にボールを回されて守備が後手後手になってしまう。
そして66分に、メッシを起点にアグエロがサイドでボールをキープ、股抜きのパスに飛び込んだメッシに合わせて先制点を取ると、今度はメッシからディ・マリアに絶妙な浮き玉のパスを通してクロスからやすやすと2点目、最後はメッシがこの試合2点目となるFKを直接グラウンダーで決めるゴールを決めてダメ押し。
ぶっちゃけ誇張でなく、ウルグアイはメッシ1人のためにやられてしまったわけで、日本がブラジルに対して完璧な対策をしたところで、こうなる可能性は十分あるよな、と思わされるぐらいに個人の力の偉大さというものを見せつけられる試合だった。
ただ、ネイマールはメッシほど確実性があるわけではないし、内田がリベリにある程度対抗できているように、日本選手のアジリティと運動量を持ってすれば、単なる足元のテクニックだけなら人海戦術で何とか耐えられるはずだ。
そのためには、ブラジル戦では出来るだけラインを上げて中盤をコンパクトにし、スピードに乗った攻撃をさせない事。タックルが不得意でフィジカルでは負ける日本が、相手選手を後追いするような守備になってしまったらアウトである。なるべく相手の足を止めさせ、アジリティ勝負に持ち込むことが肝心だろう。

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