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「ポルトガルとフランスは似たもの同士」ブラジルW杯欧州予選グループ6 ロシア-ポルトガル

グループリーグ2試合負け無しと、共にW杯予選で絶好のスタートダッシュを決めた両チーム同士の直接対決は、まずロシアがホームでポルトガルを下した。
それにしても、力量では優位と見られていたポルトガルがロシアに屈してしまった敗因は、日本に負けたフランスの場合とほとんど同じだったのが、試合を見ていてある意味面白かった。
試合は当然のようにポルトガルが支配するものの、攻撃のコンビネーションやアイデアというものに乏しく、1トップに位置するポスティガの存在感は皆無で、結局はクリスティアーノ・ロナウドとナニの個人突破頼みに終始。
ポルトガルはDFラインからのパス出しが正確で、ロシアもDFまでは激しくプレッシャーをかけて来なかったので、中盤までは比較的イージーにボールは来ていたのだが、そこから先のロシア守備が固かった。
ロシアはクリスティアーノ・ロナウドに対しては常時2人がかりで対処して突破を許さず、その分逆サイドにいるナニが使えるスペースが開いて、そこをナニはスピードに乗ったドリブルで突破まではするのだが、そこから先は精度の低いクロスか無理くりなシュートというマンUと同じ病を発症。クリロナは途中からトップ下の位置に入るなどして何とか打開を計ったが、イタリア人監督カペッロ率いるロシアが築いたコンパクトな守備を最後まで崩すことができなかった。
ただ、ロシアはさすが選手の欧州経験が豊富で、近年はハイレベルな選手を金で漁るチームが増えてきているだけに、ポルトガルがポゼッションをして来てもズルズル下がらず、常に中盤の5人が前線とDFラインとバランスを取ってゾーンを崩さなかったのは、フランス戦前半の日本よりもしっかりした戦いだったと言える。
ポルトガルの方は、前半早々にボールを奪われてからのハーフカウンター時に、ペペがオフサイドトラップを仕掛けようとしたところ、右サイドに人が余っていてドフリーで持ち込まれてしまったという違いはあるが、やはり攻撃的になっている時間帯に点が取れないと得てしてこうなるという見本でもあり、親善試合で自分たちの世界における実力を図ると同時に、今後のアジア予選に向けて気を引き締める良い機会であるようにも思う。
明日は日本のブラジル戦だが、フランス戦の勝利に惑わされず、まずかったフランス戦前半の轍を踏まないような立ち上がりを期待したい。

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