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「長友、選手生活で初退場」イタリア・セリエA第7節 ミラン-インテル

長友が、2枚のイエローをもらって後半早々に退場してしまった事も含めて、審判の判定に物議を醸した試合ではあったが、試合全体を見なおしてみると判定自体にそれほど大きなミスやブレは無かったように思う。
ただパオロ・ヴァレーリ主審の采配が致命的だったのは、イエロー気味のファールに対して注意や対話といった手段を使わず、全てイエローカードでコントロールしてしまおうとした事だった。
長友の1枚目については当然だし、2枚目のハンドも故意に腕を上げていると見られなくもないので、それ単独ならばイエローが出てもおかしくない。が、明らかな故意ではないし、得点機会に関係ない場所でのファールなのだから、2枚目は注意で済ませるべきだったように思う。
それ以外にも、この主審はファールに対してことごとくイエローを連発し、試合の合計では10枚もの数に達した。これがもしコッリーナさんだったら、せいぜい3~4枚ぐらいで収まっていたはずの試合だ。これではどちらのチームにも不満が出るのは当たり前である。日本人主審にもありがちだが、何でも毅然とカードを出せばいいってもんじゃない。
さて試合のほうだが、インテルが開始早々にFKからサムエルが頭で押し込んだ得点を最後まで守りきっての勝利に終わったわけだが、その結果が示すようにミランの攻撃の迫力不足が目立つ内容であった。
ミランは1トップのボージャンのところでボールがキープできないので、長友が間一髪で防いだ場面のように、右のエマヌエルソンが攻撃を作って、ボージャンが動き回ったスペースにエル・シャーラウィやボアテングが絡んでチャンスを作るパターンがほとんどだった。
インテルは、長友をエル・シャーラウィ番に付けて攻撃の片翼を封鎖し、長友がいなくなってからは右WBにサネッティ、左にペレイラを配置し、中盤にグアリンを投入してインテルゴール前に分厚い人の壁を築いて対抗した。
ミランはロビーニョやパッツィーニを入れて逆転を狙ったものの、エル・シャーラウィが疲れてスピードのある攻めが出来ずにドリブル&クロスという単調な攻撃に終始。それでもモントリーヴォのミドルを中心にいくつかチャンスは作ったが、インテルGKハンダノヴィッチのナイスセーブと、2度の決定機を外したボアテングのミスによって同点ならず。
まあ、長友にとってもインテルにとっても何とかかんとか逃げきれて良かったという話に尽きるが、サネッティやカンビアッソといったベテランの経験による部分が大きく、相変わらず彼らは酷使されたままなので、このまま好調を最後まで持続させるのは難しいだろうなと思う。中盤にサブはたくさんいるけど、誰もまだ監督の信頼が薄いようなので、中断期間中にその埋め合わせが出来るのかどうかが注目される。

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