「これからが乾もチームも正念場」ドイツ・ブンデスリーガ第6節 フランクフルト-フライブルク

ここまでリーグ5戦で負け無しと絶好調のフランクフルトは、ホームでのフライブルク戦でも勝利を挙げ、首位バイエルンとはわずか2差の2位をガッチリとキープした。
が、試合内容・展開ともにフランクフルトにとっては非常に苦しいものだった。
アウェイのフライブルクはフランクフルトの攻撃を非常に良く研究しており、足元で受けることが乾については相対するSBをメインに、誰かが必ず縦パスに対してマークを定め、フランクフルトのロングボールがそれほど精度が無いのを見越して、DFよりもボランチに対してプレッシャーをかけて来た。
そのため、フランクフルトの前線はほとんど前を向いてボールを持たせてもらえず、1トップのホファーにはほとんどボールが渡らずに孤立。それでも、相手の高いDFラインがセンターラインをオーバーしたギャップを突いて、乾が単独ドリブルで抜け出した場面があったが、シュートタイミングに一瞬躊躇した隙に間合いを詰められ、GKにシュートが当たって絶好機をフイにしてしまった。
しかしフライブルクも攻撃のアイデアという点では大したことがなく、守備はいいけど攻撃ではなかなかフランクフルトを脅かすところまでは行かず前半は膠着状態に終わったが、後半5分にフライブルクのシュートを一旦はGKトラップが弾いたものの、こぼれ球をうまくクルーズに蹴りこまれてフライブルクが先制点。
フェー監督は、存在が消えていたホファーを交代し、トップ下のマイヤーを1トップに上げるとこれが上手くハマリ、運動量が落ちてラインが上げられなくなったフライブルクに対してマイヤーが空中戦で優位に立ち、空いたバイタルエリアを中盤の選手が使えるようになって一気にフランクフルトがペースを握る。
そして67分にマイヤーが左からのクロスをトラップすると、そこからイブラヒモビッチばりの反転ゴラッソシュートを決めて同点、その6分後にはセットプレイからヘディングをファーに流し込んで逆転。そのままフランクフルトがしっかり逃げ切ってやれやれの結果となった。
しかしトップ下マイヤーってのは、高原がいた時からあったフォーメーションだと思うんだけど、監督が変わっても相変わらず同じような使われ方をしているのは何でなんだろうね(笑)。どう考えても最初から1トップのほうがいいと思うのだが、本人が嫌がってるのだろうか?
乾については、1対1があまり上手くないこと、雑なプレイが時折入ってしまうこと、ボールの受け方が足元に偏っている事など、今まであまり表に出て来なかった昔からの課題が一気に噴出してしまったな、という感じ。運動量自体は落ちていないけど、いろいろと精神的な疲れが出てきているのかもしれない。ザックが観戦していただけにイージーなチャンス逃しは残念だったけど、欧州遠征で評価を巻き返して欲しいね。