「小粒だけどひ弱ではない」U-16アジア選手権 日本-北朝鮮

今回は朝日ニュースターでしか放送されておらず、見ることが出来なかったU-16アジア選手権だったが、先週末からスカパーで10日間の無料放送が始まったので早速録画を見てみた。
韓国、北朝鮮、サウジアラビアという、グループリーグとしては最悪の組み合わせになってしまった日本だったが、サウジには勝利したものの韓国に負けてしまい、グループリーグ突破は最後の北朝鮮戦での結果にかかっていた。
北朝鮮は、日本と勝ち点は並んでいたものの、得失点差で劣っていたために得意の守ってカウンターという戦法が出来ず、最初から飛ばし気味に来ていたが、互いにプレスを掛け合うイーブンな展開から日本が前半14分に一瞬の隙を突いて中村がゴールを決めたことで、一気に日本にとっては楽な展開になった。
今までの日本ユース年代のサッカーは、高い技術で面白いようにパスは回すんだけど、いざ劣勢に立たされるととたんに弱気な面が顔を出し、バックパスや横パスをカットされてはカウンターを喰らい、守備陣はろくにアタックをかけられずにズルズルと下がり、セカンドボールを拾われて失点、というのがおなじみのパターンだった。
しかしこの試合での日本は、ボールを奪われると相手のボールホルダーに対して素早くプレッシャーをかけ、パスコースを限定させて後ろがしっかり前でカットするという連動した守備が見られ、かつてのようなひ弱さ、為す術がない感をほとんど感じさせなかった。
あと、北朝鮮は、今までであればどう見てもオーバーエイジな選手を投入してきて(笑)ユース年代ではアジアで相当な強さを誇ってきた国だが、この試合では珍しく同年代っぽい選手だけでプレイしていたようで、そういう部分も日本にとっては大きかったかなと。
ただ、日本はメンバーをローテーションしてたのでこれがベストメンバーでは無い可能性があるにせよ、将来的なタレントという意味では柿谷や南野がいた年代に比べるとやや小粒感はあるかなと。まあ、香川にしても長友にしてもU-17年代では代表に選ばれてないので、彼らをもって日本の将来が測れるわけではないけど、この代表はやたらと背が低い選手が多いし、ユース代表の選考基準が知りたいところだよね。
さて、これで日本は無事シリアとのU-17W杯出場をかけた準々決勝へと進むことになった。シリアがいたグループは、ウズベキスタン、中国、インドが入っており、それも中国が最終戦でインドと引き分けたためにシリアとウズベキスタンが勝ち抜けたわけで、実力的にはそれほど抜きん出たものは無いはず。それでも、一発勝負は何があるかわからないので、きっちり集中して世界切符をもぎ取って欲しいところだ。