「ある意味彼らが羨ましい」ブラジルW杯南米予選第8節 ペルー-アルゼンチン

最近の大会にしては珍しく(?)、スタートダッシュを決めて南米予選の首位をひた走っているアルゼンチン。その大きな理由は、前回のW杯までは散々自国メディアから叩かれていたメッシが、チームにフィットしてゴールを量産している事にある。
そのアルゼンチンをホームに迎えたペルーは、当然のように4-1-4-1の1ボランチが常時メッシをスッポンマークし、なおかつメッシにボールが渡ればそこに誰かが必ずカバーに来て2人で囲む守備を徹底してきた。
ペルーは、守備的に戦いながらも各選手がそれなりのテクニックとフィジカルを持っており、ボールを持てばじっくりとキープしつつパスを回す事ができるし、かと思えば一発のパスをシャルケで内田と一緒にプレイしている右SHのファルファンを走らせ、鋭いカウンターを仕掛けるなど幅広い攻撃が出来るのはさすがである。
そして、前半22分には早いリスタートからのサインプレイから右サイドを抜け出したファルファンがクロス、そこにザンブラノがきっちりと合わせてホームのペルーが電光石火の攻撃で先制する。
メッシがガッチリマークされてプレイに関与できないアルゼンチンは、逆にメッシが動いて出来たスペースを使うプレイで攻めて来るようになり、SBがメッシのカバーに入って出来たスペースを、ディ・マリアやラベッシのウイング陣が突破する場面を何度か作り始める。
すると37分に、一発のロングボールから抜けだしたラベッシがダイレクトでクロス、これをイグアインが中で合わせるという、ペルーとほとんど同じような形で同点に追いつく。その後は互いにいくつか決定機は作るものの、アルゼンチンはガゴを首の怪我で失うなどのアクシデントもあってペルーを攻めきれず、試合は1-1のドローで終了した。
好調アルゼンチンに対してしたたかなサッカーを見せたペルーだが、そんなペルーでさえ南米予選では現在7位と低迷し、ストレートイン圏内である4位のウルグアイとは勝ち点5の差を付けられている。何だかんだでブラジルとアルゼンチンは予選を毎回突破するので、今回はブラジル開催で実質的な出場枠は3.5になるとは言え、アジアとは比較にならない厳しさである。
こんな修羅場をくぐり抜けて出場している経験豊富なチームを相手にするのだから、グループリーグはともかく決勝トーナメントで日本が負けてしまうのも無理は無いよなあと痛感させられる試合だったね。