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「これぞウノ-ゼロの醍醐味」ブラジルW杯アジア最終予選 日本-イラク

ホームである日本が「格下」であるはずのイラクに対して最小得失点差の1-0で辛勝したという事で、セルジオ氏や代表ファンの方々にはきっと嬉々として叩かれる文面を書かれるのだとは思うが、当事者であるザックにしてみれば、表向きは仏頂面だったかもしれないが、内面は十分満足していたのではないだろうか。
確かに、ジーコが本来不動のスタメンであるマフムードとナシャト・アクラムを先発から外し、結果的に10人を入れ替えるジーコお得意の「総取っ替え」をして来た事で、日本は序盤にマーキングで混乱し、20分までにセットプレイから2度、カウンターから1度の危ない場面を作ってしまった。
しかしその後はイラクの攻撃力は完全に影を潜めてしまい、後半からは日本の攻撃に対してほぼ守る事しか出来ずに結局シュートは1本も打てず、矢継ぎ早にマフムードやアクラムを投入しても全く戦況を変えることが出来なかった。
ジーコはこの奇策を採用した理由として選手のコンディションの違いを挙げてはいたが、その意味では主力のコンディショニングに失敗したにも関わらず、序列を固めすぎてサブを腐らせたドイツW杯での大失敗から多少なりとも指揮官として成長があった事は証明してみたものの、結果的には若手が良く走って守って終わっただけの試合だったと言えなくもない。
日本は本田に対してガッチリとマークがついていただけに、遠藤と長谷部の位置とポジションチェンジすればもっと流動性が出たのではないかと思うが、本田が下がって相手を自陣に引き込むよりは、高い位置に残ってパスミスからの数的不利を避けるポジショニングを保ったことは十分理にかなっている方策だったと思う。
課題だったDFもパーフェクトでは無いにしてもまずまずの出来で、イタリアだってどんな相手でも2~3回はバタバタする場面があって、その都度ブッフォンがナイスセーブで救って来たことを考えればイタリア人監督的には申し分ない試合内容だったのではないかと思う。
ま、表面的な内容はともあれ最終予選は結果だけが全て。この時点ではまだオージーの結果は分かってないけど、4試合で勝ち点10はほぼパーフェクトな状態であるのは間違いない。オージーの結果にもよるが、もし彼らが勝ち点3をゲットすれば日本と3位以下のチームは勝ち点差が8になり、次のオマーン戦で日本が勝てばW杯出場決定になる可能性が出て来る。
ぶっちゃけ、最終予選なんだからもうちょっとハラハラしたい気持ちが無くはないけど(笑)、出場が決まればその分だけ新戦力も試せる余裕が出て来るわけで、さっさと香川を筆頭とした欧州組の仕事は終わらせてしまって、まだ物足りない国内組の強化を推し進めてもらいたいものである。
追記:
なんと、オーストラリアが3試合目のヨルダンアウェイで敗れるという波乱。日本にとっては首位固めという点では良いが、オージーがホームでの試合をあと3つ残しているだけに、2位通過のラインが16程度まで上がる可能性が出てきた。痛し痒しな事に、とりあえず後2試合ぐらいはハラハラが感じられそうではある。

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